グリーグ 十字軍の兵士シグール
CD
■ E・グリーグ作曲/「十字軍の兵士シグール」から
▲ E・サロネン指揮/スウェーデン放送交響楽団
1990年録音。
戯曲に付けた音楽から、以下の3曲の抜粋。
1.前奏曲「王宮にて」
2.間奏曲「ボルグヒルの夢」
3.忠誠行進曲
最初の2曲はそれほど面白くはなくて、聴き物は最後の「忠誠行進曲」。
かつては吹奏楽で演奏される機会も多かった曲で、調性も変ロ長調なので移調せずとも演奏しやすい。
演奏時間は10分近く。ABAの3部形式。曲名は「行進曲」だけれども、抒情的な雰囲気が濃い音楽。
金管楽器のファンファーレに続いてチェロの四重奏で奏されるテーマは気品があり、高貴な雰囲気もある素晴らしいメロディ。
それに比べると、最初の2曲は演奏時間も短く、単独で演奏されるようなものでもなく、3曲合わせて「組曲」とするにはアンバランスな印象もある。
ちなみに、スコアには「『十字軍…』から3つのオーケストラ曲」と書かれています。
演奏によっては冗長に感じられることもあるのだけれども、サロネンはスッキリと過不足なくまとめていて、だれることが無い。透明感のあるオケのサウンドもいい。
▲ E・スヴェトラーノフ指揮/ロシア国立管弦楽団
1981年録音。
「忠誠行進曲」ではスヴェトラーノフの本領発揮。金管楽器を思い切りよく鳴らした華やかな導入から、密やかなチェロの四重奏へ。
驚くべきは、このメロディがトゥッティで演奏される "Maestoso" の部分のスロー・テンポ。単に遅いだけではなくて、しっかりとコントロールされて、巨大なスケール感は聴きもの。
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