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ドヴォルザーク スラヴ舞曲集

CD&DVD

 ■ A・ドヴォルザーク作曲/スラヴ舞曲集 作品46,72

 「第1集(作品46)」「第2集(作品72)」、それぞれ8曲から成る曲集。オリジナルはピアノ連弾曲。作曲者自身によるオーケストレーション。

 

 【全曲盤】

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 ▲ R・クーベリック指揮/バイエルン放送交響楽団

 1973年録音。世評も高い『定盤・その1』で異論は無し。


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 ▲ G/セル指揮/クリーヴランド管弦楽団

 1962~1965年録音。『定盤・その2』。

 ただ、オーケストレーションに手を加えている部分があるので、個人的には違和感を感じるところもある。

 LPでは曲順を変えていたけれども、CDではオリジナル通りに収録。


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 ▲ イヴァン・フィッシャー指揮/ブダペスト祝祭管弦楽団

 1999年録音。

 旋律の持つ情感と、舞曲としての躍動感のバランスがよく、指揮者の強い主張は感じられないけれども、むしろ作為の無い自然な音楽作りは、最初に聴く一枚としてオススメできる。

 暖かみのあるオーケストラのサウンドもとてもいい


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 ▲ N・アーノンクール指揮/ヨーロッパ室内管弦楽団

 2000年、2001年録音。弦楽器は対向配置で、これがとても効果的。

 この音楽がそもそも持っている情感とか民族性などは置いておいて、あくまで自分流に考えられたアプローチ。

 (おそらく)少人数のオケはフットワークが軽く、緩急のコントラストがくっきりとしている。第8番などもキビキビとしていて気持ちがいい。

 1曲1曲、独特のニュアンスが付けられていて、いわゆる『正当派』ではないにしろ、とても楽しんで聴ける。

 特に「第2集(作品72)」は凝った曲想のナンバーが多いので、アーノンクールのアプローチが上手くマッチしているように感じ、もはや『舞曲(=踊りの曲)』という枠は超えてしまっている。


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 ▲ L・マゼール指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

 遅めのテンポで、堂々たる、スケール感のある演奏。

 重量感のあるティンパニや分厚いホルンの響きなど、シンフォニーを聴いているような気分になる。

 その行き着いた先が最後の第16番(作品72-8)。

 極めて遅いテンポで、綿々と、独特の音楽世界を作っている。

 リピートをカットしているにも関わらず、演奏時間は一般的な録音とほぼ同じ(7分41秒)。

 『民族舞曲』的な楽しさは皆無。しかし、マゼール節全開。さすがです。


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 ▲ Z・コシュラー指揮/スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団

 1987、1988年録音。

 チェコの指揮者というと一般的にはノイマンなのかもしれないけれども、私にとって馴染みが深いのは、たびたび都響に客演されて、チェコ物以外にも素晴らしい演奏を聴かせてくれたコシュラーの方だった。

 ただ、残念ながら1995年、67歳で亡くなられました。

 そのコシュラーのスラヴ舞曲集。

 オーケストラのサウンドと共に、素朴でローカルな雰囲気に満ちた、活き活きとした演奏。


 【抜粋盤】

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 ▲ H・V・カラヤン指揮/ベルシン・フィルハーモニー管弦楽団

 1959年録音。

  第1番(作品46-1)
  第10番(作品72-2)
  第3番(作品46-3)
  第16番(作品72-8)
  第7番(作品46-7)

 緩急交互に配置した選曲。

 全16曲中5曲と曲数は少ないけれども、LP片面に収録する時間の関係もあったろうか。

 カラヤン唯一の録音で、音楽に勢いがあり、また流麗でパワフルなサウンドが楽しめる。

 逆に勢いに任せたような粗さも感じるのだけれど、ベルリン・フィルの音楽監督になったばかり、50歳ちょっとの若いカラヤンの魅力とも捉えられる。


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 ▲ V・フェドセーエフ指揮/モスクワ放送交響楽団

 2004年のライブ録音(拍手付き)。

 チェロ協奏曲の余白(オマケ)に収録。しかし、個人的にはこちらの方に興味津々ではある。

 以下の5曲を収録。

  第1番(作品46-1)
  第2番(作品46-2)
  第3番(作品46-3)
  第10番(作品72-2)
  第8番(作品46-8)

 メロディ主体の中間3曲は中々面白く、特にスロー・テンポの第3番は独特の表情を見せてくれる。

 しかし、問題は第8番以外であちこちに大きなカットがあることで、特に第3番は中間部が全て、ばっさりとカットされてしまっている。

 演奏後、会場からは「ブラボー!」の声も飛ぶけれども、ライブではともかく、フェドセーエフのファン以外にはお勧めできるものではありません。


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 ▲ V・ノイマン指揮/ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

 1966年(?)録音。

  第1番(作品46-1)
  第7番(作品46-7)
  第9番(作品72-1)
  第12番(作品72-4)
  第15番(作品72-7)
  第16番(作品72-8)

 第1番から若々しく覇気に満ちた演奏を聴かせてくれる。続く第7番での鄙びたオーボエの響き。

 余計な演出のない、引き締まった、また活き活きとした音楽。

 オーケストラのサウンドは力強いものの、華美にはならず、どこか鄙びたローカルな味わいもある。

 抜粋版ではあるけれども素晴らしい演奏。

 カップリングは「ハンガリー舞曲集」から10曲。


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 ■ I・ケルテス指揮/イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団

 1962年録音。

  第1番(作品46-1)
  第3番(作品46-3)
  第8番(作品46-8)
  第10番(作品72-2)
  第9番(作品72-1)

 第1番主部は速目のテンポ設定が気持ちいい。第3番ではテンポを落ち着かせ、メロディをレガートで歌わせる。

 ケルテスの音楽は若々しいエネルギー、パワー、歌もあり、けれども決して粗くなったり、乱れたりしないバランスの良さ。


 【映像】

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 ▲ W・サヴァリッシュ指揮/イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団

 2001年のライブ録画。「第1集(作品46)」の全8曲を曲順に演奏。

 カップリングが「白鳥の湖」だけれども、やっぱり、こちらの方がサヴァリッシュのテリトリー。とても楽しめる。

 第1番の冒頭から力感がみなぎる音楽。1曲終わるごとに会場から盛大な拍手が起きる。

 ただ、オケにもよるのだろうけれども響きは重く、また、結構クセのある音で、第3番中間部のトランペットなど、マーラーの様にも聞こえる。

 何はともあれ、懐かしいサヴァリッシュさんの指揮姿を観ることができて嬉しいです。

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