グリーグ 抒情組曲
CD
■ E・グリーグ作曲/抒情組曲
ピアノのための「抒情小曲集」からの管弦楽編曲作品。
▲ N・ヤルヴィ指揮/エーテボリ交響楽団
以下の5曲を収録。
1.羊飼いの少年 G
2.鐘の音 S
3.ノルウェー農民の行進 S/G
4.夜想曲 S/G
5.小人の行進 S/G
オーケストレーション(編曲)の経緯として、まずハンガリーの指揮者、アントン・ザイドルが「2」~「5」の4曲を編曲。後にグリーグが「3」~「5」を改訂。さらに「2」を削除して「1」を新たに編曲して追加。
なので「2」を除いた4曲(太字の曲)がグリーグ自身による「抒情組曲」となり、ほとんどの録音がこの4曲によります。
ちなみに、グリーグの『改訂』は、ほぼ全面的に書き直したもので、実質的には『グリーグ編曲』と言えるものだそうです。
このヤルヴィ盤は削除された「2」を復元した5曲版。で、この手の曲を楽しく聴かせてくれるのがヤルヴィ(父)。
「1」や「4」の情感。金管を一杯に鳴らした「3」の力強さ。
「5」などは、有名な「ペール・ギュント」にも引けを取らないような親しみやすさ、魅力のある音楽。
▲ A・ラシライネン指揮/ノルウェー放送管弦楽団
一般的な4曲を収録。
1.羊飼いの少年
2.ノルウェー農民の行進曲
3.夜想曲
4.小人の行進
グリーグのオーケストラ作品では「ペール・ギュント」がずば抜けて有名なのだけれども、彼の音楽の魅力をより強く感じられるのが、この曲だと思う。
特に「1」と「3」のハーモニーの美しさ。ディーリアスやグレインジャーが影響を受けているのがハッキリと分かる。
4のおとぎ話の様なファンタジーもいい。
ラシライネン(上写真)はフィンランド生まれの指揮者。知名度は低いけれども、曲の素晴らしさをストレートに感じさせてくれる演奏。
様々な演奏家によるグリーグ作品集(2枚組)。他には「ペールギュント」組曲がラシライネンの指揮。
▲ J・バルビローリ指揮/ハルレ管弦楽団
1969年録音。通常の4曲を収録。
思いっきり気持ちの込められた「羊飼いの少年」と「夜想曲」。「ノルウエー農民の行進曲」ののどかな雰囲気もいい。
「『抒情』組曲」というタイトルに相応しい演奏。
▲ G・ロジェストヴェンスキー指揮/モスクワ放送交響楽団
1967年録音。
1曲目の「羊飼いの少年」はパワフルな弦楽器でドラマチックに盛り上げる。「ノルウェー農民の行進」での金管楽器の強奏。「夜想曲」後半、弦楽器のユニゾンが主題を奏するバックにホルンが響くと完全にチャイコフスキーの世界。「小人の行進」も元気いっぱい。
グリーグとしては違和感があるかもしれないけれども、割り切ってしまえば楽しく聴ける。
▲ O・スウィトナー指揮/ベルリン国立歌劇場管弦楽団
1976年録音。「夜想曲」「小人の行進」の2曲のみ。
オケのサウンドは素晴らしい(特に弦)けれど、やっぱり2曲だけというのは物足りない。
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