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ピアノ協奏曲「黄河」

CD

 ■ ピアノ協奏曲「黄河」

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 ▲ 殷承宗(ピアノ)/E・リーパー指揮/スロヴァキア放送交響楽団

 4楽章形式の「ピアノ協奏曲」。複数の作曲家による共作らしく、また、各楽章には以下のような副題が付けられている。

  第1楽章 前奏曲:黄河の舟唄
  第2楽章 黄河を讃える
  第3楽章 黄河の憤り
  第4楽章 黄河を守れ

 第1楽章、「大河ドラマ」風のオープニングから華やかなピアノのカデンツァへ。ここまでは、ありがちな展開。

 そして、ピアノで最初のテーマが奏されると、気分は一気にチャイニーズ(一気に雰囲気が和む)。

 「♪チャンチャンチャララ・ジャンジャンジャン」

 あまりに単純な(中華風)メロディだけれども、これは民謡なんだろうか。

 叙情的な第2主題の後、再びテンポが速くなったと思ったら、あっという間に曲は終わる。

 「♪ジャン・ジャン・ジャン!」

 何の展開も無く、あまりに唐突だ。

 中間の2つの楽章はなかなかいい雰囲気。中華風のロマンチックな音楽が展開され盛り上がる。

 第4楽章で再び元気良くなるが、この愛国歌・軍歌風音楽は気恥ずかしく、人前で聴くのは憚られるほどに捻りが無くストレートだ。

 いわゆる(旧ソビエトの音楽にあるような)『社会主義リアリズム音楽』。一時は結構人気があったように記憶しているけれども(確かオーマンディも録音していた)、今となってはメイド・イン・チャイナの『珍品』として貴重だ。

 この曲だけだと、いかにも『愛好家向け』であるけれども、このCDの聴きどころは余白に収められている民謡などをベースにしたピアノ独奏曲で、これは素直に美しく楽しめる。

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