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ショスタコーヴィチ 交響曲第3番「メーデー」

CD

 ■ D・ショスタコーヴィチ作曲/交響曲第3番「メーデー」

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 ▲ G・ロジェストヴェンスキー指揮/ソビエト文化省交響楽団

 1983年録音。

 ショスタコーヴィチの交響曲...その昔、第1番と有名な第5番との間、第2~4番は謎の3曲だった。

 存在しているのは間違いないのだろうけれども、レコードも無ければ、スコアも売られてないし、もちろんコンサートで演奏されることもない。

 この曲を、ようやく『聴く』ことができたのがコンドラシン盤(LP)。でも「面白い!」と感じたのは、このロジェストヴェンスキー盤を聴いてから。

 冒頭は爽やかなクラリネットで始まり、行進曲風のトランペットが加わってから音楽は生き生きとし出し、以後は次から次へと過激な(支離滅裂な?)な楽想が続く。

 不協和音は当たり前。金管楽器のハイ・トーン、弦楽器の大げさなポルタメント、打楽器のロールをバックに全オーケストラがユニゾンでテーマを奏し、そこに大太鼓が打ち込まれ、また、いきなり銅鑼が「ジャーン!」と鳴ってビックリする。

 コーラスが加わる終結部は、いかにも『社会主義的』な雰囲気で、最後は高らかに鳴り響くトランペットで曲を結ぶ。

 そんなハチャメチャな音楽に、全く何の疑問も持たずに思いっ切り体当たりしているのがこの演奏。

 その面白さは無類で、正しくロジェストヴェンスキー向きの音楽だと思う。イチ推し。


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 ▲ K・コンドラシン指揮/モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団

 1972年録音。

 何より、コーラス(A・ユルロフ指揮/ロシア共和国合唱団)がとてもいい。

 LP時代に繰り返し聴いたY・ウラノフ指揮の「森の歌」と同じ団体だろうか。あの、演奏が思い出される。

 オケの部分は速いテンポでぐいぐい前へ進む。ただ、この曲としては真っ当過ぎるようにも感じる。もうちょっと面白おかしく演奏しても...。


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 ▲ O・ヴァンスカ指揮/BBCスコティッシュ交響楽団

 1998年8月のライブ録音(拍手付)。

 ヴァンスカと言うとシベリウス(北欧音楽)のイメージが強く、聴く前は「ショスタコーヴィチ?」と違和感も感じたのだけれど、これが予想外にいいです。

 ロシア的なアクの強さは無いけれど、音楽は速めのテンポで生き生きと進められ、弦楽器による最初の間奏部の抒情性。

 ライブゆえトロンボーンのハイ・トーンなどが危なっかしかったりもするけれど、テンポの速い部分は問題無し。コーラスが入ってからも○。

 非ロシア系の演奏としてオススメ。

 カップリングはベートーヴェン作曲の「交響曲第7番」。


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 ▲ V・フェドセーエフ指揮/モスクワ放送交響楽団

 2003年のライブ録音。これはいいです。

 力強い金管楽器(トランペット、トロンボーン)、でもライブ的な粗さはない。

 オケのサウンドも美しく、ロジェストヴェンスキーのように力で押し切るのではなく、丁寧に音楽を創っていく。

 最後に加わるコーラス(V・ミーニン指揮/国立モスクワ室内合唱団)は、部分的にシュプレヒコールの様でもあり、より『らしい』雰囲気が出ている。

 カップリングは「交響曲第1番」。


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 ▲ V・アシュケナージ指揮/ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団

 1992年録音。

 オーケストラが上手く(特にホルンがいい)、一種安心感がある。

 コーラス(ウィルコックス指揮/バッハ合唱団)が入る終結部は意外にテンポの変化が細かく指定してあるのだけれども、そこら辺もキチンと対応している。

 キレイに丁寧にまとめられている感はあるけれども、この曲の演奏として惹きつけられるものがあるかと言うと、そうでもない。

 カップリングは「交響曲第12番」。


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 ▲ M・ヤンソンス指揮/バイエルン放送交響楽団

 2005年録音。

 ちょっと生真面目過ぎて、途中でだんだん飽きてくる(曲も曲なので...)。ただ、合唱が入ってきてからはいい感じ。

 この指揮者のショスタコーヴィチではレニングラード・フィルを振った「第7番」が一番好きだ。

 それはさておき、大昔は『音』すら聴くことができなかったこの曲を、バイエルン放送響というドイツの一流オケの演奏で聴けるようになったとは、ある意味感無量だ。

 カップリングは「交響曲第14番」。


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