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チャイコフスキー バレエ音楽「くるみ割り人形」から(スヴェトラーノフ&N響のライブ)

CD

 ■ P・チャイコフスキー作曲/バレエ音楽「くるみ割り人形」から

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 ▲ E・スヴェトラーノフ指揮/NHK交響楽団

 2000年10月、NHKホールでのライブ録音。

 幸いにしてこのコンサートを聴きに行くことができたのだけれど、曲目が当初は「組曲」だったのが第1幕後半部に変更になり、ここは、個人的に大好きな音楽なので、この変更は大歓迎。

 収録曲は以下の通り。

  No.6 情景「クララとくるみ割り人形」
  No.7 情景「くるみ割り人形とネズミの王様の戦い」
  No.8 情景「松林の情景」
  No.9 雪片のワルツ

 これに、当日アンコールで演奏された、

  No.14 「パ・ド・ドゥ」より「アダージオ」

 組曲に含まれる有名曲は入っていないけれども、このバレエ音楽のファンであれば嬉しい選曲だし、スヴェトラーノフの芸風を考えれば、(組曲よりも)こちらの方がピッタリだと思う。

 冒頭、弦楽器による子守唄が何と優しく、暖かく演奏されることか。ここだけでも、この演奏を聴く価値は十分ある。

 ほとんど停まりそうなテンポ、スケールの大きさは比べるものも無く、超スローテンポの「松林の音楽」に続く、原曲通り児童合唱が加わった「雪片のワルツ」は最高。冒頭、ハミングで歌われる児童合唱の、これまた何と美しいことか(合唱が前に出過ぎないのがイイ)。

 最後の音にスコアには無い打楽器を加えて大きくクレシェンドさせるところは「いかにも・・・」で、これはファンには嬉しい演出。

 さらに嬉しいことに、当日アンコールで演奏された「パ・ド・ドゥ」からの「アダージオ」も収録されている。

 クライマックスではトランペットが高らかに鳴り響き、エンディングではティンパニ奏者が腕も千切れんばかりに叩き続ける。これを聴いてしまうと、若かりし日のロジェストヴェンスキー&ボリショイ劇場管による『本場物』の録音すらも、何とも物足りなく感じてしまったものだ。

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