ホルスト 吹奏楽のための第2組曲
CD
■ G・ホルスト作曲/吹奏楽のための第2組曲
▲ F・フェネル指揮/イーストマン・ウィンド・アンサンブル
1955年録音。一応「ステレオ」とはなっているけれども、モノラルに近い雰囲気。
きびきびとした速めのテンポで、引き締まった固めのサウンド。颯爽とした演奏。
昔から聴き慣れているので、自分にとってはこれが基準点になっているのだけれども、もう少しゆとりや、情感がほしいとも思う。
▲ E・バンクス指揮/イギリス王立空軍中央軍楽隊
1984年録音。こちらは、昔ながらの「軍楽隊」というイメージのある演奏。
今となっては野暮ったさも感じるし、ユーフォニウムやコルネットも『上手い』という感じではない(結構危なっかしい)。
また、テンポが遅めなので、フェネル盤の後に聴くと、どうしても間延びした感じがしてしまう(特に第4楽章)。
楽章毎の演奏時間は下記の通り。(フェネル/バンクス)
第1楽章 4:12/4:43
第2楽章 2:25/2:45
第3楽章 1:16/1:10
第4楽章 2:43/3:35
第4楽章で1分近くの差というのは、体感的に相当に違う。
▲ F・フェネル指揮/クリーヴランド・シンフォニック・ウィンズ
1978年録音。フェネル校訂版のスコアに「参考音源」として付いている演奏。ティンパニが入っていないことを除けば、ほぼフェネル校訂版。
クリーヴランド管の管楽セクションのメンバーによる演奏で、ソロも含めて、当然上手い。
イーストマン盤で感じた不満は解消されるけれど、この演奏に無いものといえば「イギリス的」雰囲気だろうか。
第1楽章のユーフォニウムはトゥッティで演奏されているように聞こえる(フェネル版では solo の指定)。
▲ T・レイニッシュ指揮/王立ノーザン音楽大学ウインド・オーケストラ
1998年録音。
丁寧で柔らかなサウンド。金管楽器のバランスは抑えられていて、「行進曲」の第1マーチはほとんど「mp」くらいに聴こえる(指定は「f」)。
いわゆる『ブラバン的』な演奏とは程遠い。「これが最高!」とはならないけれども、「こういうやり方もあるのか」という感じの面白い演奏で、個人的には気に入っている。特に中間2つの楽章がいい。
▲ H・ダン指揮/ダラス・ウィンド・シンフォニー
1990年録音。メリハリの効いた、いかにもアメリカ的な演奏。
速めのテンポの「行進曲」、華やかなサウンドが気持ちいい。ユーフォニウムのソロも上手いというよりも、何とも楽しそうだ。終曲の「グリーンスリーブス」も豊かに響く
コルネット・パートは(おそらく)トランペットで演奏しているのだろうか。イギリス的なサウンドでもないし、(EWEのように)キッチリとしたアンサンブルを聴かせるわけでもない。
しかし、まさしく「音楽を楽しむ」といった演奏であり、「こんなふうに演奏したいな」とも思わせてくれる。
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コメント
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ホルスト コンダクト ホルスト
ホルストの娘が、空軍軍楽隊を指揮している
バンクス指揮よりも、いい感じです
演奏では、ダン指揮 RMSMの演奏が素晴らしい
ユーフォニアム奏者が抜群の歌いをします
車の中で聞いたFMの演奏の音源を探したら、フェネルと米国海兵隊だった 若いころのフェネルと違って落ち着いた表現だった
それにしても古典的な曲であるが、美しく演奏する表現をなかなか聞く機会がありません
投稿: bandlover | 2019/02/27 16時47分