ドヴォルザーク 交響曲第6番
CD
■ A・ドヴォルザーク作曲/交響曲第6番
ドヴォルザークの交響曲では最後の2曲(第8.9番)が、演奏頻度にしても録音の数にしても圧倒的に多いのだけれども、個人的にはこの第6番は大好きな曲。
第3楽章の「フリアント」は、完全に「スラヴ舞曲」の世界で、トリオのピコッロのソロもいい。第2楽章は地味ではあるけれど、どことなく懐かしさが漂う。
両端楽章はブラームス(第2交響曲)の影響を感じるけれども、ローカルな(田舎臭い)雰囲気はドヴォルザークならではだし、テンポアップした終楽章のコーダの晴れやかな気分、畳み掛ける音楽も素晴らしい。
▲ R・クーベリック指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1972年録音。交響曲全集から。
力強く安定感のあるオケをベースに、伸びやかでスケール感のある、そして共感に満ちた素晴らしい演奏。
弦は対向配置で、右側から聴こえてくる2番ヴァイオリンの存在感が大きく、これでこそ、この配置が生きると思う。
ファースト・チョイスとしても文句無しにオススメできる録音。
ちなみに、この全集。6枚組なのだけれども、そこへ9曲を収めようとしているために、第5番と第4番が2枚のCDに泣き別れになってしまっている。
マーラーやブルックナーと違って、どの曲も1枚に収録できる長さなのだから、枚数を増やしても1枚内に1曲を収めてほしかったです。ちなみに、ケルテスの全集も同様で何曲かが泣き別れ。
▲ R・クーベリック指揮/バイエルン放送交響楽団
1981年ライブ録音(拍手付き)。ベルリン・フィルとのセッション録音の20年後のライブ録音。
オケのパワーでは敵わないけれど、素朴で暖かみのある、よりリラックスした雰囲気を持った演奏。フルートはアドリアン?
カップリングはヤナーチェクの「シンフォニエッタ」。
▲ C・V・ドホナーニ指揮/クリーヴランド管弦楽団
1989年録音。洗練された味わいがあり、何よりオーケストラのサウンド(肌触り)がとてもいい。鳴りも十分。
カップリングはヤナーチェク作曲の「タラス・ブーリバ」。
▲T・ダウスゴ―指揮/スウェーデン室内管弦楽団
2006年録音。『室内』管弦楽団による演奏。弦は対向配置。
スッキリと透明感のある弦楽器。瑞々しい木管のサウンド。雰囲気に流されず、スコアがストレートに音になってくる。
テンポ感の良さが心地よく、特に中間2楽章がいい。この曲のまた違った面を見せてくれる演奏。
▲ N・ヤルヴィ指揮/スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
1986年録音。交響曲全集から。
速めのテンポで、緩むことなく音楽を前へ持って行く。
深く考え込まない。気の向くまま、感じるままの自然体。オケもよく鳴った、爽快な演奏。
交響曲以外の作品(序曲など)は入っていないけれども、ケルテス盤やクーベリック盤と違い、全ての交響曲について、1曲が同じディスク内に収録されている、良心的な全集。
▲ C・ミュン=フン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1999年録音。リラックスした暖かみのあるオーケストラのサウンドがとてもいい。
民族的な雰囲気や若々しい活力よりも、スマートに洗練された印象がある演奏。
流れるような音楽ではあるけれど、時々そっけなく感じたり、上滑りしているように感じたり、もっと『溜め』がほしくも感じる。
カップリングは「交響曲第8番」。
▲ A・デイヴィス指揮/フィルハーモニア管弦楽団
1979年録音。交響曲全集から。
これはイイです。明るく暖かみのあるオケのサウンド。自然で瑞々しい音楽。迫力や歌にも不足は無し。
9曲の交響曲の他に、スラヴ舞曲集(作品46)、「謝肉祭」序曲、「スケルツォ・カプリチオーソ」、ケンペ指揮の弦楽セレナーデ、そしてフルートの神様、M・モイーズ(!)指揮の管楽セレナーデ。
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