ブラームス セレナード第1番
CD
■ J・ブラームス作曲/セレナード第1番
ブラームス初期の管弦楽作品。当初は室内楽編成のために書かれ(第4楽章にはその名残が見える)、後に管弦楽編成に編曲されたもの。
6楽章形式。第3楽章(アダージオ)は演奏によっては15分近くかかるけれども、第5楽章などは3分弱で終わってしまう。
それなりの長さを持つ、1,2,3,6の4楽章を抜粋すれば規模的には『交響曲』と言えるかもしれないけれど、内容的には、はるかにリラックスした雰囲気がある。ただ、音楽は紛れもなくブラームスそのもの。
▲ R・シャイー指揮/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
2014年録音。イチ推し。
決して重苦しくならない、速めのテンポで溌剌と、活き活きとした音楽は、ブラームス若書きの音楽に相応しい。オーケストラも素晴らしく、第3楽章の暖かいサウンドなど、まず申し分ない演奏。
カップリングは「セレナード第2番」。
▲ C・マッケラス指揮/スコットランド室内管弦楽団
1998年録音。
ナチュラル・ホルンによる開放的なサウンド(特に第1、5楽章)、『室内管弦楽団』らしい、重苦しくないスッキリとした味わいがこの曲にはピッタリで、冗長さを感じさせない。
▲ E・ボールト指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
1977、1978年録音。ボールトは1889年生まれなので、90歳近くの録音。
しかし、ふんぞり返った大家然としたところは全く無く、何とも肩の力が抜けてリラックスした、飄々とした雰囲気の音楽。ケルテスやマッケラスが14分かけている第4楽章も8分しかかかっていない。
ヴァイオリンは対向配置、でも昨今のピリオド奏法などとは無縁。暖かく落ち着きのあるサウンドは、聴いていてホッとする。嗚呼、このように年を取りたいものだ。
ちなみに、作曲者のブラームスが亡くなったのが1897年なので、ボールトが8歳の時までブラームスは生きていたのだ!
▲ I・ケルテス指揮/ロンドン交響楽団
1967年録音。
明るいサウンドの溌剌とした演奏。
ホルンの強奏と共に、大らかで伸びやかな第1楽章。ロマンチックな第3楽章は「セレナード」というタイトルに相応しい音楽。符点のリズムが力強い、堂々とした終楽章もいい。
▲ G・ヴァント指揮/ケルン放送交響楽団
1968年録音。
とても生真面目な印象の演奏。オケのサウンドはいいけれども、音楽は重い。『硬派』と言えるのかもしれないけれども、こういう曲は、ひたすら明るいケルテスの方が好き。
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