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プーランク 小象ババールの物語(管弦楽版)

CD

 ■ F・プーランク作曲(フランセ編曲)/小象ババールの物語

 原曲はピアノと語り手のための作品。フランスの作曲家、ジャン・フランセによるオーケストレーション。

 やや取っ付きにくい部分もあるけれども、お洒落で、ユーモラスで、暖かく、また、フランセのオーケストレーションも素晴らしく、イベールの「嬉遊曲」を思わせるところもある。

 物語の最後は、森へ戻って王様になったババールを祝う象たち。結婚式、楽しいパーティ、そして星の光の下で幸せな時間。

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 ▲ G・プレートル指揮/パリ音楽院管弦楽団

 1965年録音。ナレーションはピーター・ユスティノフ(フランス語)。

 演奏については文句無し。これで決まり。

 冒頭の「子守唄」のフワッとした優しい感触から、一気にこの物語の世界に引き込まれてしまう。

 何と言っても、あのパリ音楽院管弦楽団。今後、どんな新録音が出ても、この『音』(特に金管楽器)は決して聴くことはできないでしょう。

 また、この演奏にはフランス語の語りが相応しい。残念なのが、私にフランス語を聞き取る能力が無いこと...。

 ちなみに、ユスティノフの語りは「ハーリ・ヤーノシュ」のような『おふざけ』はありません。

 カップリングは高橋アキのピアノ、忌野清志郎の語りによるオリジナル版。CDセールス的には、多分こちらがメイン。


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 ▲ J・ランチベリー指揮/メルボルン交響楽団

 バリー・ハンフリーズのナレーション。1997年録音。

 ナレーションは英語。担当しているバリー・ハンフリーズはオーストラリアの喜劇俳優だそうで、シブい低音の、落ち着いた語り口。

 演奏はスッキリときれいにまとまっているけれども、『フランス的』なものは求められない。

 カップリングの「ピーターと狼」「青少年のための管弦楽入門」の語りはデイム・エドナ・エヴァレッジ。

 これは、女装(?)したバリー・ハンフリーズ氏だそうで、要は女性の声色(こわいろ)を使っていて、日本ならば『ばってん荒川』みたいな感じだろうか。

 オーストラリア人は大爆笑なのかもしれないけれど、その面白さは今ひとつ分からないです...でも、ババールは◎。


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 ▲ ジャン=ルイ・フォレスティエ指揮/オーケストラ・アンサンブル金沢

 2004年のライブ録音。

 何と言っても、黛まどかさんのナレーション(もちろん日本語)。

 素直で優しい語り口で、へんな芝居っ気が無いのがいい。ババールとおばあさんの別れの場面では、ほろっとさせられました。

 日本語による録音が聴きたくて買ったCDなので、その点では大満足。

 これでオーケストラに更なる情感があれば(『音』はどうしようもないかもしれないけれど)...。

 カップリングは「打楽器と小管弦楽のための協奏曲」(ミヨー)、「打楽器と管弦楽のための協奏曲」(ジョリヴェ)。

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