ペシェク指揮によるオーケストラ名曲集(DVD)
DVD
▲ L・ペシェク指揮/チェコ・フィルハーモニック管弦楽団、スロヴェニア・フィルハーモニー管弦楽団
【収録曲】
スメタナ作曲/交響詩「モルダウ」
スメタナ作曲/オペラ「売られた花嫁」から
グリーグ作曲/「ペール・ギュント」組曲
ペシェクは知る人ぞ知るチェコの名指揮者(一時期チェコ・フィルの常任指揮者も務めていた)。映像ソフトが多い指揮者ではないし、値段も安く、選曲もいいのでつい買ってしまったのだけれど...。
ケースの写真から、コンサートを収録した映像だと勝手に思い込んでいたら(思い込んだ方も悪いけど)、これが大間違い。映像メインの「名曲アルバム」風ソフトであり、また、画質も音も悪い。
そして、問題はその内容で...まずは「モルダウ」。
なぜか宇宙空間に浮かぶ地球の映像から始まり、そこへ「ピコピコ」という宇宙船内的効果音がかぶさってくる。古い東宝SF映画のオープニングのようだ(その場合はここで伊福部昭の音楽がドドーンと始まる)。
カメラが地球に寄っていくと、ヨーロッパ大陸が見えてくる。
さらに寄ったところで、フルートの音と共に「モルダウ」の音楽が始まり、モルダウ川の映像となる。
以後はこの交響詩が表わす情景(実写)と共に進行する。
村人の婚礼と踊り、花婿花嫁は教会へ入り祈りを捧げ、川のほとりに立つと水の精が現れる。
他の曲も含めて、わずかながらも演奏風景が収録されているのが救いだけれども、こんな凝った映像を作る予算があるのなら、演奏風景だけで十分だ。
しかし冒頭のピコピコ音は完全に『蛇足』。これさえなければ、音楽だけでも楽しめたのに...。
続く「売られた花嫁」の序曲と3つの舞曲は、もともと舞台作品なので、オペラの一場面として意外に普通に観れてしまう。
最後の「ペール・ギュント」はバレエ仕立て。2つの組曲を曲順を入れ替えて演奏して、ストーリーを追っていく。
「朝」ではフルートやオーボエ奏者がバレエの舞台上で立って楽器を吹くというシュールな演出もあり(「ペールの帰郷(嵐)」では金管が同じことをする)、一段と悪くなった画質・音質と共に相当に微妙な内容だ。
とは言うものの、演奏はいずれも素晴らしく、わずかでもいいのでペシェクの指揮姿を観たいという方ならば是非(そんな人がいるかは不明)。
何はともあれ、コンサート映像を期待される方は購入しないことをオススメします。
下記も同一内容だと思われますので、購入の際は要注意。
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