外山雄三 管弦楽のためのラプソディ(岩城&N響)
CD
■ 外山雄三作曲/管弦楽のためのラプソディ
▲ 岩城宏之指揮/NHK交響楽団
1961年(昭和36年)、文京公会堂での録音。
私が小さかった頃(「N響アワー」よりも前の時代)、TVで放送されるN響のコンサートの指揮者は、ほとんどが岩城さんだった。
今みたいに映像ソフトが出回っていない、レコードも高価だった時代。一番馴染み深い指揮者が岩城さん。
佐渡さんがベルリン・フィルを振ったことで大騒ぎになったけれども、岩城さんもベルリン・フィルだけではなく、ウィーン・フィルの定期演奏会にも出演されているのだ。
そして、この「ラプソディ」。
N響初の海外演奏旅行のアンコール・ピースとして1960年に作曲された曲で、初演はこのコンビ。
人気曲で録音もいくつかあるけれども、この岩城&N響を超える演奏は聴いたことがない。
まずは前半部のホルン(トップは千葉さん?)。ヘロヘロのピッチ、ヤケクソ気味の「ソーラン節」は、とても素面(しらふ)で吹いているとは思えないけれど、この曲をお上品に吹いたってしょうがない。
当時首席奏者だった吉田雅夫氏が吹く中間部のフルート・ソロは、装飾音など自由に付けておられるけれども、さすがに素晴らしい雰囲気が出ている。これぞ『日本の笛』。
日本の高度経済成長期。イケイケのパワーと勢いがあり、岩城さん、千葉さん、吉田さん、皆亡くなられてしまったけれど、まさに、その時代でしかあり得ないような、まさしく『歴史的な演奏』。
その他のCD
▲ 沼尻竜典指揮/東京都交響楽団
2000年録音。「八木節」の前に掛け声(「ハッ!」)が入っています。
▲ 手塚幸紀指揮/NHK交響楽団
1986年録音。
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