コープランド バレエ組曲「ビリー・ザ・キッド」
CD&DVD
■ A・コープランド作曲/バレエ組曲「ビリー・ザ・キッド」
バレエ音楽からの組曲。これは、まさに『西部劇』の世界。
子供のころTVで観ていた「西部劇」...「ローハイド」「ライフルマン」「ララミー牧場」などを懐かしく思い出す。
冒頭の「大平原」は雄大ではあるけれども、どこか寂しげ。
頂点で場面が突然変わり、ピッコロ(ティン・ホイッスル)のソロで始まる、賑やかで楽しい「開拓者の町」。
「夜の大平原」での素晴らしいトランペットのソロ。打楽器が活躍する「銃撃戦」(分かり易い)。「祝賀会」での調子はずれのピアノ。
「ビリーの死」は大袈裟にならずにさりげなく、最後は冒頭の「大平原」の音楽が再現して終わる。
▲ E・オーマンディ指揮/フィラデルフィア管弦楽団
1969年録音。バーンスタイン盤もあるけれど、この曲はオーマンディの大らかな演奏の方が好きだ。
ただ、「祝賀会」でトランペットにミス(なぜか途中で吹くのを止めてしまう)があるのが残念。
▲ M・グールド指揮/ヒズ・オーケストラ
1957年録音。エコーの効いたハデなサウンド。映画のサントラ盤のようでもあるけれど、滅法面白い演奏。
グールドは作曲家としても有名だけれど、指揮もなかなか。巧みな語り口と表情で楽しませてくれる。曲が曲だけに『クラシック音楽』と構えて聴くこともない。これはオススメです。
カップリングの「ロデオ」は『全曲版』。こちらも、リラックスした雰囲気が楽しい演奏。
▲ L・バーンスタイン指揮/ニューヨーク・フィルハーモニック
1959年録音。バーンスタイン指揮の旧録音盤はどれも好きだけれども、これだけは今一つ。曲との相性だろうか。でも、「ビリーの死」の場面はとてもいい。
▲ L・スラットキン指揮/セントルイス交響楽団
1985年録音。こちらは『バレエ全曲版』。
▲ マイケル・ティルソン・トーマス指揮/サンフランシスコ交響楽団
これは映像版(DVD)。2011年9月7日、創立100周年ガラ・コンサートでのライブ録画。
これはすごくいいです。
ノリのよい、しかし、決してエモーショナルに深入りしない軽さ、明るさ。コープランドの音楽にピッタリで、この曲を完全に自分のレパートリーにしている感じがする。
私が聴いた中でも(CDも含めて)最高の演奏の一つ。
演奏の前には謎の(?)女性による楽曲解説付き。
| 固定リンク
コメント