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ハチャトゥリアン バレエ音楽「ガイーヌ」から(自作自演盤)

CD

 ■ A・ハチャトゥリアン作曲/バレエ音楽「ガイーヌ」から

 作曲者自身の指揮による録音。

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 ▲ A・ハチャトゥリアン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

 1962年録音。まずはこれ。

 LP時代から有名な録音で以下の5曲。

  1.剣の舞
  2.アイシェの目覚めと踊り
  3.レズギンカ
  4.ガイーヌのアダージオ
  5.ゴパーク

 「レズギンカ」のドラムは『遊び』は入れていないけれども、十分迫力がある。「レズギンカ」はもちろん、これほどホルンが目立つ「剣の舞」は他には聴いたことがない。

 「アダージオ」の弦楽器のローカルな雰囲気もいい。

 そして、曲も演奏も最高なのは「アイシェ…」。

 序奏(目覚め)は神秘的なピッコロのソロ。後ろではバス・クラリネットの低音が蠢く。

 ワルツのリズムに導かれる「踊り」。微妙にポルタメントがかけられた、このメロディの素晴らしいこと。

 繰り返されるときにはアルト・サックスのオブリガートが重なるけれど、これがまたいい。オーケストラ作品の中で使われるこの楽器のソロの中でも出色のものだと思う。

 低音から高音へと駆け上がる木管楽器。短い合図と共にフル・オーケストラで、妖しく艶めかしいワルツが鳴り響く。

 ハープのグリッサンドとタンバリンのリズムに乗って演奏されるホルン。

 曲は次第に静まり、シロフォンとヴィブラフォンの余韻。最後はトゥッティのリズムできっぱりと曲を締める。

 数分の中に、ハチャトゥリアンの音楽の魅力がギッシリと詰まっている。演奏もこれ以上のものを聴いたことはない。

 カップリングは「スパルタクス」から4曲と、アンセルメ&スイス・ロマンド管による、グラズノフ作曲のバレエ音楽「四季」。


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 ▲ A・ハチャトゥリアン指揮/ロンドン交響楽団

 1977年録音。

  1.レズギンカ
  2.子守歌
  3.嵐
  4.剣の舞
  5.山岳民族の踊り
  6.インヴェンション(ガイーヌのアダージオ)

 「嵐」は組曲では「火焔(Fire)」というタイトル。最後の「インヴェンション」は「ガイーヌのアダージオ」。

 ウィーン・フィル盤ほどの魅力は無いけれども、選曲もいいし、オケに安定感があるので安心して聴くことができる。


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 ▲ A・ハチャトゥリアン指揮/ソビエト国立交響楽団

 1977年のライブ録音。Russian Disc 盤。イラストは、一人戦車に立ち向かう戦士の図?

 改訂版(ボリショイ版)から5曲の抜粋。記載されている曲名は別にして、「原典版」での曲名は以下の通り。

  1.ガイーヌのアダージオ
  2.??
  3.火焔
  4.山岳民族の踊り
  5.レズギンカ

 ウィーン・フィルやロンドン交響楽団を振った録音と比べると、別人のような暴れっぷり。

 弦楽器による1曲目から濃厚な音楽が展開され、2曲目もハチャトゥリアン節全開。トランペットを筆頭とする金管楽器の音は、「やはり、こうあるべし!」と思わせる。

 「レズギンカ」はティンパニを加えたドラムのリズムから始まり、その後の木管楽器は異様なテンションで吹きまくる。ドラムのアクセントが決まり、朗々たるホルンと、ほとんどヤケクソのトランペット(でも上手い!)。最後はもはや笑うしかない。

 カップリングは「交響曲第2番」。


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 ▲ A・ハチャトゥリアン指揮/ソビエト国立交響楽団

 1975年のライブ録音。

  1.アイシェの目覚めと踊り
  2.ロシアの踊り
  3.クルド人の踊り(山岳民族の踊り)
  4.レズギンカ
  5.剣の舞

 何と言ってもパワフルなオケのサウンドは魅力的。ただ、意外に粗さは感じない。

 「1」は妖艶なウィーン・フィル盤とはまた違った濃厚な雰囲気を楽しめる。「レズギンカ」の木管は完全に指がもつれているような...。

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