橋本國彦 交響曲第1番・天女と漁夫(沼尻&都響)
CD
■ 橋本國彦作曲/交響曲第1番
▲ 沼尻竜典指揮/東京都交響楽団
2001年録音。
皇紀2600年奉祝曲として作曲された曲。3楽章形式。演奏時間45分。
「題名のない音楽会」で第2楽章の一部が演奏されて興味を持ち、CDを購入して聴いてみたのだけれど、これが、なかなか面白い。
第1楽章は静かな弦のカノンで始まり、ここは『夜明け』を思わせる。叙情的な音楽で、日本風ではあるけれども、洗練された雰囲気がある。
途中で威勢のいい行進曲が挿入され、ここは、突然別世界の音楽が現れたような、不思議な感覚になる。
第2楽章は沖縄風の旋律が木管によって交互に奏される、ゆったりとした、のどかな雰囲気。
リズミックな中間部から、そのまま、後半部では打楽器のリズムと共に高揚する。
第3楽章は唱歌「紀元節」による変奏とフーガで、最後は主題を高らかに奏し、堂々としたエンディング。
この主題は作曲の経緯から選ばれたものだと思うけれども、個人的に馴染みが薄いためか(歌詞は記憶の片隅にある)、それ以上のものは感じられず、当然抵抗感も無い。
たまには、コンサートのプログラムの片隅に、こういう曲が入っていてほしいものだ。
■ 橋本國彦作曲/交響組曲「天女と漁夫」
「羽衣伝説」を素材にしたバレエ音楽による組曲。
1.導入
2.夜明け
3.漁夫たちの踊り
4.漁夫の踊り
5.漁夫と天女の踊り
6.天女の踊り
7.天女の昇天
内容も音楽も分かり易い。
日本的であるけれども、その中にフランス的な洗練された味わい、繊細さ。打楽器も加わったリズミックな場面も現れるけれども、情感の方を強く感じさせる。
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