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グローフェ グランド・キャニオン組曲

music CD

 ■ F・グローフェ作曲/グランド・キャニオン(大峡谷)組曲

  1.日の出
  2.赤い砂漠
  3.山道を行く
  4.日没
  5.豪雨

 何と言っても有名なのが「3」で、誰もがどこかで一度は耳にした曲ではなかろうか。

 8分の6拍子のメロディと、2分の2拍子の伴奏(蹄の音)の組み合わせが絶妙で、とぼけた感じが何とも可笑しい。もし、伴奏も8分の6拍子だったら、この面白さは出なかったろう。

 ちなみに、「カポカポ」鳴っている蹄の音の楽器(?)指定は "Cocoanut Shells"(ココナッツの殻?) となっています(音は4つ)。

 Grofe_2

 ここに重なってくる第2のテーマ(西部劇風)ものんびりとしてのどかで、一点の陰も不安もない。

 「夜明け」冒頭のピッコロのソロにしても、「豪雨」にしても、多分に戯画的であり映画的。

 これを「ダフニスとクロエ」(の「夜明け」)や「アルプス交響曲」などと同列に扱うものではなかろう。

cd

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 ▲ M・グールド指揮/ヒズ・オーケストラ

 この曲、(いわゆる)シンフォニックな演奏は、どうも居心地が悪いことが多い。演奏する方も聴く方も、気楽なリラックスした雰囲気がほしいのだ。

 で、このグールド盤。純粋なオーケストラ演奏(スコアの再現)として聴けば色々あるかもしれないけれども、雰囲気は抜群。

 フィナーレで嵐が去った後に「3」のメロディが再現する部分では、雄大なグランドキャニオンの風景が(写真でしか見たことがないけれど)目の前に広がってくるようだ。

 自分の立ち位置をしっかりと確保していて、こういう演奏でこそ楽しめる曲だと思う。


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 ▲ E・オーマンディ指揮/フィラデルフィア管弦楽団

 オケを豊かに、また豪快に鳴らし、歌い、余計な小細工もないストレート勝負。曲とこのコンビのキャラがピッタリと一致している。

 国内廉価盤。見た目は駅前のワゴンセールで売っているような体裁だけれども、演奏はバツグン。まずどれか1枚ということなら、これ。


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 ▲ E・カンゼル指揮/シンシナティ・ポップス管弦楽団

 明るく瑞々しいサウンド。ケバケバしさはない。特に「日没」がいい。

 冒頭の「ppp」で始まるティンパニと弦のフラジオレットは殆ど聞こえないくらい。その後のクラリネットも最弱奏。

 多分に音響的なデモンストレーションのようなところもあり(元々、テラークはそれが売りだったし)、「豪雨」ではウィンド・マシーンが前面に出て、また本物の「雷鳴」入りの別トラックも付いている。

 ちなみに、オーマンディ盤やグールド盤では、ウィンド・マシンは殆ど聞こえません。


 【オリジナル版】

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 ▲ スティーヴン・リッチマン指揮/ハーモニー・アンサンブル・ニューヨーク

 P・ホワイトマン楽団のために書かれたオリジナル版での演奏。

 「ミシシッピ組曲」ほどの面白さは無いけれども、興味のある方は是非。

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 P・ホワイトマンと彼の楽団(1925年ころ撮影)。

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