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伊福部昭 管弦楽のための「日本組曲」

music CD

 ■ 伊福部昭作曲/管弦楽のための「日本組曲」

 19歳の時に作曲したピアノ曲を、58年後の1991年に77歳の伊福部さんがオーケストレーションした作品。

 初期の作品ということもあってか、とてもシンプルな音楽で、後年の様な変拍子は使われていないけれど、この頃から紛れもない『伊福部昭』だ。

 オーケストラは3管編成。アルト・フルートなども加わっていて、2曲目「七夕」の冒頭はフルートとのデュエット。1曲目「盆踊り」の途中にもソロ(フルートとのソリ?)がある

 オリジナルのピアノ曲を、それなりにオーケストレーションするのは誰でも出来るかもしれないけれど、打楽器の扱いについては、エンディングのシンバルの一閃なども含めて、伊福部さんでなければ、まず書けないと思う。

 また、1曲目「盆踊り」後半、16分音符や5連音符で上下する分散和音をトロンボーンに演奏させていて、ここは完全に一般常識を超えている。ここで、より演奏し易いスコアを書くことは可能だろうけれども(普通の人ならそうする)、この(演奏が)難しい楽譜から生まれてくるエネルギーはとてつもない。

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 ▲ 井上道義指揮/新日本フィルハーモニー交響楽団

 1991年9月17日、「作曲家の個展」での初演時ライブ録音。カップリングは「シンフォニア・タプカーラ」。


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 ▲ 広上淳一指揮/日本フィルハーモニー交響楽団

 1995年録音。

 作曲者の立会いの下での録音。伊福部さんはリズムの取り方などについて、色々とアドバイスをされたとのこと。

 とても丁寧にまとめられた演奏で、特に中間2つの楽章がいい。第2楽章「七夕」の気の遠くなるような遅いテンポは、作曲者の指示だろうか。

 第4楽章などは、正直、大人しすぎるように感じるけれども、セッション録音でキチンとした音源を残すというスタンスもあるのだろう(伊福部作品はライブ録音が殆どなので)。

 しかし、第1楽章「盆踊り」は、狂おしくも悲壮感が漂う音楽だ。

 「伊福部昭の芸術2」。カップリングは「シンフォニア・タプカーラ」。


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 ▲ 本名徹次指揮/日本フィルハーモニー交響曲楽団

 2007年3月4日。サントリーホール、「伊福部昭音楽祭」のライブ録音。

 第1楽章「盆踊り」はライブ的な熱さもあり、第3楽章まではとてもいい。

 しかし、問題は第4楽章で、後半からテンポをどんどん上げ、そのまま猛烈な速さで曲を閉じる。最後の管楽器の16分音符など全く吹き切れていない。

 ほとんど『崩壊』と言っていいのではなかろうか。もちろん、スコアに "accell." の指示は無い。

 ライブ一発勝負であれば盛り上がるかもしれないけれど、落ち着いて聴き直すと、(少なくとも私には)強烈な違和感がある。


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 ▲ 小林研一郎指揮/新交響楽団

 1994年ライブ録音

 第1楽章「盆踊」の迫力はスゴイ。「木挽歌」(小山清茂作曲)の「盆踊り」のような、のどかな村祭りではなく、なにやら殺気立ち、エンディングではパーカッションがビシビシ打ち込まれて、そのテンションの高さは尋常ではない。

 伊福部昭・傘寿記念CD(2枚組)。

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