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ホルスト セントポール組曲

music CD

 ■ G・ホルスト作曲/セントポール組曲

 ホルストには風変わりな曲も多いけれども、これは自身が勤めていた女学校のために書かれた弦楽合奏のための作品で、聴きやすく楽しい音楽。

 第4楽章は「吹奏楽のための第2組曲」の終曲を弦楽合奏用に書き換えたもの。ただし、単純な置き換えではなく、調性も違っている(吹奏楽版はヘ長調、セントポールはハ長調)。

 途中、有名な「グリーン・スリーヴス」のメロディが(2回)現れるのがミソであるけれども、1回目はチェロ。しかし、音域が低いためか今ひとつ存在感が薄く、ここは吹奏楽版のユーフォニウムに軍配が上がる。2回目は高音のヴァイオリンで演奏され、さすがにいい雰囲気が出ている。

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 ▲ N・マリナー指揮/アカデミー室内管弦楽団

 1971年録音。

 「ジーグ」冒頭のユニゾンによる主題から、とても細やかなニュアンスが付けられている。

 「オスティナート」(「ミレドレ」という8分音符の音形が繰り返される)は、組曲「惑星」の中の「水星」のような軽やかさ、浮揚感。

 終曲の「ダーガソン」は活き活きとして、全員で合奏を楽しんでいるような躍動感、アンサンブル感がとてもいい。

 この曲を最初に聴いた(知った)のがこの演奏。イギリスの弦楽合奏のための作品を集めたアルバム(当時LP)に収録されていて、これはそれをそのままCD化した国内盤。

 収録曲は以下の通りで、演奏だけでなく選曲もとてもいい。

  1. セントポール組曲(ホルスト)
  2. 2つの水彩画(ディーリアス/フェンビー編)
  3. シャコンヌト短調(パーセル)
  4. 前奏曲「ロージメードル」(ヴォーン・ウィリアムズ/フォスター編)
  5. 映画「ヘンリー5世」から2つの小品(ウォルトン)
  6. シンプル・シンフォニー(ブリテン)


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 ▲ C・ホグウッド指揮/セントポール室内管弦楽団

 1992年録音。管弦楽版。

 聴き始めると、弦楽合奏の曲のはずなのに、管楽器らしき音(クラリネット?)が聞こえてくる。

 最初は空耳(気のせい?)かと思っていたけれど、第4楽章では明確に聞こえ、さらには打楽器(タンバリン、トライアングル、ティンパニ)まで加わってくる。

 正直、聴く分には管打楽器は不要(蛇足sweat02)と感じる。弦の旋律をなぞっているだけなので、中途半端な印象なのだ。

 それでも、珍しい音源であるのは間違いない。


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 ▲ R・ヒコックス指揮/シティ・オブ・ロンドン・シンフォニア

 1993年録音。小編成オケのための作品を集めたアルバム。

 収録曲は以下の通り。

  二重協奏曲(2つのヴァイオリンと小編成オーケストラのための)
  2つの無言歌
  抒情的断章(ヴィオラと小編成オーケストラのための)
  ブルック・グリーン組曲
  フーガ風協奏曲(フルート、オーボエと弦楽合奏のための)
  セントポール組曲

 「ブルック・グリーン組曲」は「セントポール組曲」の姉妹曲ともいえる弦楽合奏のための作品。

 「2つの無言歌」の2曲目「マーチング・ソング」は吹奏楽にも編曲されている、民謡風の素朴な行進曲。

 
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 ▲ R・グッドマン指揮/ニュー・クイーン・ホ-ル管弦楽団

 1996年録音。「オリジナル楽器」を使用。

 メインは「惑星」なのだろうけれども、コンセプト的には「セントポール組曲」の方が合っていると思う。軽やかでテンポ感のある演奏。

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