チャイコフスキー マンフレッド交響曲(フェドセーエフ)
CD&DVD
■ チャイコフスキー作曲/マンフレッド交響曲
CDとDVDでは使用している楽譜の版が異なっています。
▲ V・フェドセーエフ指揮/モスクワ放送交響楽団(CD)
1999年のライブ録音(拍手入り)。RELEF盤。
オルガンが加わった通常版での演奏。第4楽章にカット有(206~302小節)。
第1楽章の冒頭から速めのテンポで、前のめりに進んでいく。ちょっと落ちつかない。
ただ、途中の "Andante" では大きくテンポを落として、(バス・クラリネットのソロなど)じっくりと表現する。
弦楽器のユニゾンによる「マンフレッドの主題」に始まるコーダ。弦のサウンドはさすが。ちょっと粗いけれども金管も頑張り、一気に盛り上がる。
しかし、最後の最後、"Poco piu animato" の部分で、突然急激にテンポアップ、あれよあれよと言う間に終わってしまう。
「マエストロ、さすがにそれは...」
そもそも、指定は "poco(少しだけ)" なのに...このすかし方もフェドセーエフらしい。
終楽章はテンポ感が活きていて、音楽が停滞しないし、ドカドカと重量感のあるティンパニの存在も大きい。
途中、ばっさりカットしているけれども、元々あんまり面白くない部分なので、これはOK。
そして、ティンパニの強烈な打ち込みに始まるコーダは第1楽章と同様。オルガンが加わった終結部も決して大袈裟にはならない。
▲ V・フェドセーエフ指揮/モスクワ放送交響楽団(DVD)
こちらは映像版。2009年ウィーンでのライブ録画。
いわゆる「原典版」による演奏で、第4楽章のコーダに第1楽章のエンディングと同じものをくっつけている(オルガンは入らない)。また、第4楽章にカット有。
そうそう演奏される機会のある曲ではないけれども、その曲を完全に自分たちのレパートリーとしていて、ありふれた言い方だけれども『円熟』という表現がピッタリとくる。
特に中間2つの楽章。ゆったりとしたテンポで落ち着いて音楽を進め、第2楽章のスケルツォもただ慌ただしいだけではなく余裕を感じるし、中間部の情感もとてもいい。
ちなみに、このオケのファンとしは、気合の入ったタンバリン奏者(一打入魂!)が何度もアップになるのが嬉しい。
例の来日公演の「レズギンカ」でドラムを叩いていた、あの方です。お歳は召されましたが...。
カップリングはミャスコフスキー作曲のチェロ協奏曲。
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