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ドリーブ バレエ音楽「コッペリア」から

CD

 ■ L・ドリーブ作曲/バレエ音楽「コッペリア」から

 Coppelia_a

 ▲ E・アンセルメ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団

 1960年録音。その昔、「マズルカ」が「世界こどもニュース」というTV番組のテーマ音楽に使われていて、未だにその印象が強いです。

 「前奏曲」の冒頭、4本のホルンにフランス式のバッソンが加わるその柔らかな音色感の素晴らしさ。

 「マズルカ」へ入ってから、明るくメリハリのある音楽、カラフルな色彩感。

 中間部では微妙に表情の変化が付けられるけれども、基本となっているリズムは崩さない。

 そして何より素晴らしいのは「ワルツ」。優美な音楽は、これ以上の演奏があろうか。

 メロディが入る前の導入(ワルツのリズム)から惹きつけられてしまう。4小節の導入があって5小節目から踊りが始まる...その様子が見えてくるようだ

 大昔買った国内盤。当時は3,000円(!)しましたが、今は廉価盤が出ているようです。

 【収録曲】
  前奏曲とマズルカ
  ワルツ
  チャールダーシュ
  人形のワルツ
  ボレロ
  ジーグ
  時の踊り
  ギャロップ

 カップリングは「シルヴィア」組曲。LPをそのままCDにしているので、収録時間は短いです。

 Delibes

 こちらは全曲盤(輸入盤2枚組)。カップリングは「シルヴィア」組曲と、「ダフニスとクロエ」第2組曲。

 1957年録音と記載されていて(「シルヴィア」は1959年)、上記国内盤とどちらが正しいかは不明。


 Coppelia_k

 ▲ カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

 1961年録音。

 「前奏曲」のホルンはあたかもワーグナーのような響きがする。

 「マズルカ」が始まっても華やかさは感じず、色調は暗い。また「チャルダッシュ」の前半部はとてつもなく重厚で重々しい。

 「ワルツ」は流麗であるけれども、導入のリズムをアンセルメと聴き比べてみれば、アンセルメが『バレエ指揮者』と言われている理由がよく分かる。

 私がこの演奏を聴く目的があるとすると、(おそらく)ゴールウェイが吹いているでえあろうフルートのソロ。「ワルツ」の前のカデンツァや、可愛らしい「人形のワルツ」のソロなど。

 輸入盤の2枚組。

 【収録曲】
  前奏曲とマズルカ
  スワニルダのワルツ
  チャルダッシュ
  人形のワルツ
  バラード
  スラヴの主題による変奏

 カップリングは「パリの喜び」、「ファウスト」のバレエ音楽、「眠りの森の美女」組曲、「レ・シルフィード」、「時の踊り」。


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 ▲ E・オーマンディ指揮/フィラデルフィア管弦楽団

 1963年録音。

 【収録曲】
  前奏曲とマズルカ
  ワルツ
  スラヴの主題と変奏曲
  チャルダーシュ

 「スラヴ…」は、3,4番目の変奏をカット。

 前奏曲冒頭のホルンから、とても表情豊かな音楽が聴ける。「マズルカ」ではスコアに無いハープを加えて、より華やかな雰囲気を出している。弦楽器のサウンドを中心に、ツボを押さえた演奏はとても楽しめる。

 曲数は少ないけれども、有名曲は入っているのでOK。

 国内廉価盤。カップリングは「レ・シルフィード」と「シルヴィア」組曲。

 この「シルヴィア」組曲が問題で「前奏曲と狩りの女神」と「バッカスの行列」で何箇所か大きなカットがあって、特に前者は『継ぎ接ぎ』といった感もある。

 こういうカットは当時の慣習だったのかもしれないけれども、演奏がいいだけに残念。


 Delibes_d

 ▲ C・デイヴィス指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

 1996年録音。

 【収録曲】
  序奏とマズルカ
  鐘の祝祭と時の踊り
  夜想曲
  自動人形の音楽とワルツ
  チャルダッシュ

 演奏、選曲ともに、ハイライト盤として中々楽しめる。

 単純に個々のナンバーを演奏するのではなく、曲のつなぎや構成など、いろいろと工夫されている。

 しかしながら、最後の最後...「チャルダッシュ」に追加されたエンディングは『勇み足』...いわゆる『蛇足』ではなかろうか。

 ちなみに、石川喬雄による吹奏楽編曲版にも同様の音が追加されています。

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