レスピーギ バレエ組曲「シバの女王ベルキス」
■ O・レスピーギ作曲/バレエ組曲「シバの女王ベルキス」
吹奏楽編曲版で一気に有名になった「ベルキス」。
オリジナルは大編成のオーケストラと合唱、独唱者、語り手を要する80分のバレエ音楽。
ここから、作曲者は2つの組曲を作る予定だったらしい。誰か、このバレエ全曲版を録音してくれないものだろうか。
「組曲」は以下の4曲。
1.ソロモンの夢
2.夜明けのベルキスの踊り
3.戦いの踊り
4.狂宴の踊り
▲ G・サイモン指揮/フィルハーモニア管弦楽団
1985年録音。
この曲の存在を世に知らしめた記念すべき録音(当時はLPレコード)。
「ローマ3部作」くらいしか聴いたことがなかったレスピーギに、こんなに面白い曲があるのかと驚き、繰り返し聴いたものだ。ちなみに、サイモンはこの手の「珍曲・秘曲」を数多く録音している指揮者。
そうこうするうちに、吹奏楽のレパートリーとして完全に定着してしまったが、「松」や「祭」に比べれば演奏し易いということもあったと思う。
サイモンは2曲目と3曲目を入れ替え。「戦いの踊り」の最後のホルンの延ばしの音をカット。終曲のテノール(歌)はトランペットで代用。
ゴージャスでパワフル。粗い面もあるけれども、この未知の曲を録音するという意気込みが伝わってくるようだ。個人的にはこの演奏があれば十分。
また、曲順については、このサイモン盤の並びの方が「緩-急-緩-急」となって、構成としてまとまりがいいのではなかろか。
▲ 大植英次指揮/ミネソタ管弦楽団
2001年録音。
日本では吹奏楽関係者を中心に人気が出てきた曲ではあるけれども、サイモン盤以外に新しい録音は出てこなかった。
海外では人気が無いのか、あるいは、「ローマ3部作」があれば十分ということなのか。
で、ようやく出た新録音がこれ(日本人絡みではあるけれども)。
曲順はスコア通り、終曲はテノールの歌で。
丁寧にまとめられていて、この演奏も中々いい。吹奏楽関係者が演奏の参考にするならばこちらかもしれない。
ただ、せっかくのテノールは今ひとつ。
▲ R・シャイー指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
2001年のヴァルトビューネ・コンサートのライブ録画。「戦いの踊り」がアンコールで演奏されています。
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