アルチュニアン トランペット協奏曲
CD
■ A・アルチュニアン作曲/トランペット協奏曲
この曲、大昔は一部のロシア(ソビエト)音楽ファンが、こっそり聴いているような曲だったけれども(もちろんドクシツェルのLP盤を)、いつの間にか人気曲になってしまい、吹奏楽編曲版でも演奏されるようになってしまった。
▲ T・ドクシツェル
G・ロジェストヴェンスキー指揮/ボリショイ劇場管弦楽団。1968年の録音。
この曲はドクシツェルのために書かれ、スコアにはドクシツェル作曲のカデンツァが印刷されている。
ソロだけで言えば、M・アンドレ盤も素晴らしいのだけれども、いかんせんオケが非力。その点、こちらは万全。
この曲も、いつの間にか『人気曲』になってしまい、ドクシツェルのLPに涙していた昔からのファンは戸惑う感もある。
吹奏楽も含めて演奏される機会も増えているけれども、曲そのものは作曲者の言うように『ショウピース』であって、結局ソリストの『芸』が全て。
そういう意味で、まずはドクシツェルを聴くべし。格違いの演奏。
▲ M・アンドレ
モーリス・スーザン指揮/フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団。1984年録音。。
ドクシツェルとはまた別のタイプの名演奏がこのアンドレ盤。
都会的で洗練され、颯爽として、カッコイイ。要はドクシツェルとは真逆なのだ。
当面、この2種類を持っていれば用は足りる。
アルバムのタイトルは「アンドレ・20世紀を吹きまくる!」で、この「吹きまくる」というフレーズが、アンドレにぴったりする。ドクシツェルは決して「吹きまく」らない(きっと)。
ただ残念なのが、オーケストラ。
軽めのサウンドなのはともかくとして、木管楽器が何とも頼りない(ピッチも怪しげ)。特に、クラリネットなど遥か遠くで吹いているように聞こえる。
対するドクシツェルはロジェストヴェンスキー&ボリショイ劇場管で万全なのだけれど。
▲ S・ナカリャコフ
A・ボレイコ指揮/イエナ・フィルハーモニー。2001年録音。
ナカリャコフは『テクニック』ばかりが強調されることが多いけれども、ドクシツェルと同じく、基本は『歌』なのだ。
上品で洗練されていて、言わば『都会っ子』的な雰囲気がある。そして、このアルチュニアンでも見事な演奏を聴かせてくれる。
ただ、オケは可もなく不可もなく。ちなみにイエナ(Jena)はドイツにある都市だそうです。知らなかった...。
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