ムソルグスキー 組曲「展覧会の絵」(サラステ)
CD
■ M・ムソルグスキー作曲/組曲「展覧会の絵」
▲ ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/トロント交響楽団
1996年録音。
曲によってフンテク編曲版とゴルチャコフ編曲版を使い分けた『折衷版』。要は2つの編曲版の「いいところ取り」。
サラステによればラベル版よりもよりスラブ的な、また作曲者のスタイルに近い編曲を使いたいということで、このような形になっているとのこと。
強奏で始まる「牛車」(ゴルチャコフ版)は、ラヴェル版よりも明らかにムソルグスキーのオリジナルのイメージに近い。
「キエフの大門」の2回目のコラール(オリジナルでは「ff」)は金管楽器で朗々と歌われる。ラヴェル版では「p」。
最初の「プロムナード」は出だしこそトランペットだけれども、終始弦楽器を中心に進められ、金管、弦、木管を使い分けたラヴェルに比べれば地味。「古城」のメロディはイングリッシュホルン。
同一作曲家の編曲作品としては一貫性に欠けているかもしれないけれども、先入観なしに聴いてみれば違和感はないし、よりロシア的な非ラヴェル版の編曲として楽しめる。
ただ、このサラステの演奏はロシア的な土臭さはなくて、むしろモダンな印象があるのは面白い。
カップリングは「はげ山の一夜」(コルサコフ版)、「ホヴァンシチナ」前奏曲、「カルスの奪回(荘厳な行進曲)」「スケルツォ 変ロ長調」
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