ムソルグスキー オペラ「ホヴァンシチナ」前奏曲
CD
■ M・ムソルグスキー作曲/オペラ「ホヴァンシチナ」前奏曲
ムソルグスキーの未完のオペラの前奏曲。
その、リムスキー=コルサコフ編曲版(以下K版)とショスタコーヴィチ編曲版(以下S版)の両方を収めている優れもののスコアが全音から出ています。
細かい部分はともかく、旋律を受け持つ楽器が異なっているので、耳で聴いても違いはすぐに分かります。
例えば...
【冒頭の16分音符】
K版 ヴィオラ→フルート
S版 ヴィオラ→ヴァイオリン
【旋律の最初の提示】
K版 オーボエ+ヴァイオリン
S版 クラリネット
一番大きな違いは、K版が変ニ長調で終わるのに対して、S版は変イ長調で終わっていること。ベースとなっているオリジナルを見たことがないので、どうしてこのような差異が出てくるかは分かりません。
私が所有しているショスタコーヴィチ編曲版のCDは以下の2つ。
▲ V・ゲルギエフ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
▲ C・アバド指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ゲルギエフ盤は指揮者のキャラが前面に出て重苦しく、アバド盤(編曲者の記載は無し)は丁寧な印象はあるけれどもインパクトは弱い。
ちなみに、両者とも、ホルンなどが鐘の音を模す部分で、スコアを変更して木管の旋律にヴァイオリンを重ねています(つまり、コルサコフ版を踏襲している)。
確かに、その方が聴き映えがするかもしれないけれども、できればスコアをそのまま演奏してくれた方が嬉しかったです。
なお、以下のCDですが...
▲ G・ショルティ指揮/シカゴ交響楽団
ショルティ&シカゴ響の最後の録音(コンサートのライブ)だそうで、プログラムはショスタコーヴィチ作曲の交響曲第15番をメインに、ムソルグスキー作曲「死の歌と踊り」のショスタコーヴィチ編曲版。
であれば「ホヴァンシチナ」もショスタコ版か...と思いきや、一般的なコルサコフ版でした(ガッカリ)。
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