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ラヴェル マ・メール・ロワ(スクロヴァチェフスキ)

CD

 ■ M・ラヴェル作曲/バレエ音楽「マ・メール・ロワ」

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 ▲ S・スクロヴァチェフスキ指揮/ミネソタ管弦楽団

 原曲は子どものために書かれた、ピアノ連弾のための5曲から成る組曲。

 オーケストラ版には、原曲をそのままオーケストレーションした「コンサート版」と、後にバレエ用に転用したときに新しいナンバーや序奏、間奏曲を加えた「バレエ版」があります。

 演奏時間は、前者が十数分、後者が約30分。

 「バレエ版」で新しく追加された部分は、オーケストレーションが非常に良く書けていて、演奏する側からすると相当に魅力的だと思う。

 しかし、原曲の持つシンプルさが失われてしまっているのも事実で、好みは分かれると思われ、私は以前は「コンサート版」派でしたが、最近は「バレエ版」派に傾きつつあります。

 録音としては、「コンサート版」はミュンシュ、プラッソン、ジョルダンなど、「バレエ版」はブーレーズ、デュトワ、ラトル、マルティノン、クリュイタンスなど...これだけを見ると「バレエ版」優位。

 ちなみにアンセルメは「コンサート版」の最初に「バレエ版」の導入部分を追加した折衷派。

 で、この演奏。ゆっくり目のテンポで楽譜を丁寧に音にしていく。あいまいに流す所がない。

 そして、木管奏者が皆上手い。「アメリカのオケ」などとバカにはできない。サウンドは硬質(ベタベタしていない)ですが、冷たさはありません。

 足りないものをあえて探せばフランス音楽特有の「色彩感」「臭い」だろうか。

 しかし、逆に言えば、それだけの演奏ではありません。このラヴェル、超注目です。

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