都響定期(H・リントゥ)
東京都交響楽団 第783回定期演奏会
サントリーホールにて。
指揮:ハンヌ・リントゥ
シベリウス作曲/交響詩「夜の騎行と日の出」
ルトスワフスキ作曲/チェロ協奏曲(独奏:ピーター・ウィスペルウェイ)
一柳慧作曲/交響曲第9番「ディアスポラ」(都響委嘱作品・世界初演)
とにかく前半が素晴らしく、特にチェロ協奏曲(初めて聴きました)には圧倒された。
開放弦『D』の音の繰り返しからドラマが展開され、緊迫感に釘付けになる。独奏チェロは出ずっぱりで、オケもトゥッティになる部分は少ない。最後は独奏チェロの絶叫で終わる。
アンコールに演奏されたバッハは鎮魂の音楽だろうか。
シベリウスも地味ではあるけれども名曲。音楽は紛れもないシベリウス。
ここまでで、相当にハードルが上がって、後半の委嘱作品初演。
作曲者によると、「私も高齢になり、経験した戦争の実情を語っておかねば、という思いが強くなった。このことが作曲動機となった」とのこと。
しかし、それは相当に風化されたのか、何とも生ぬるい音楽が展開されていった。
プレトークで一柳氏が「(音階の)『H』は "Hiroshima"、『F』は "Fukushima" (を意味する)」といったことを言っていて、何だか胸騒ぎがしたのが的中した感じ。
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