ホルストの「吹奏楽のための組曲」原典版のスコア(ニチフ)
日本楽譜出版社(ニチフ)から、ホルスト作曲「吹奏楽のための組曲 第1番/第2番」原典版のスコアが出ました。
http://nihongakufu.com/score/archives/1_26.php
http://nihongakufu.com/score/archives/2_19.php
伊藤康英氏の校訂によるもので、ホルスト自身の自筆譜をベースにしていて、書き間違いと思われる個所や、スコアへの書き込み、訂正などもそのまま注意書きと共に載せています。
また、第2組曲の「マーチ」では採用されなかった初稿が付録として掲載されています。
伊藤氏による解説では、第2組曲で引用された民謡の原曲や、当時の『軍楽隊』の楽器編成についての記載もあり、非常に興味深い内容です。
これらの曲演奏する機会があるのなら、持っていても損は無いと思います。
この『原典版』は、あくまで「作曲者はこういうスコアを書いた」ということであって(そういう意味ではとても貴重だけれども)、当時は演奏する人数もまちまちであったろうし(作曲者は決して「各パート1本」の、いわゆる「ウィンド・アンサンブル」を想定してはいない)、要は、この『原典版』の楽譜の使用が到着点ではなく、ここから先が演奏側の課題になると思う。
ちなみに、ヤマハから出版されているスコアは、「フリューゲル・ホルン」や「D♭ピッコロ」などというパートも加わった、マシューズ校訂版以前のB&H版のようだ(ある意味懐かしい)。スコアに版の記載は無い。
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