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大栗裕 大阪俗謡による幻想曲

CD

 ■ 大栗裕作曲/大阪俗謡による幻想曲

 原曲は管弦楽のための作品で、1956年に朝比奈隆指揮の関西交響楽団(大阪フィルの前身)により初演

 作曲者自身による吹奏楽版は1974年に大阪市音楽団により初演。吹奏楽関係者の間では超有名曲で、吹奏楽のための『オリジナル曲』と思っている人も多いかも。

 吹奏楽版の楽譜は、その昔は『カット版』しか入手できなかったけれども、今は全曲版がレンタルされているようです。

 以下の録音は当然のことながら全て『全曲版』。

 【管弦楽版】

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 ▲ 下野竜也指揮/大阪フィルハーモニー交響楽団

 2000年8月録音。

 丁寧にまとめられているけれども、いかにも大人しい演奏。

 最も入手しやすい『管弦楽版』の録音だと思うけれど、譜面を音にしたという以上の魅力は感じない。


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 ▲ 朝比奈隆指揮/大阪フィルハーモニー管弦楽団

 1975年、チューリッヒでのライブ録音。

 初演者による貴重な音源であるのは間違いない。

 最初のアレグロのテンポが遅めで、随分と落ち着いた感じがするけれども、「4分音符=116」の指定を考えると、このテンポ感が妥当なのかもしれない。

 ただ、どうしても管弦楽版は平板な印象を持ってしまう。(吹奏楽版を知らない)一般の人はどう感じるだろうか。


 【吹奏楽版】

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 ▲ 朝比奈隆指揮/大阪市音楽団

 1992年録音。

 オーケストラ版がオリジナルなのは分かってはいるけれども、やっぱり吹奏楽版の方がシックリくるのは聴き慣れているせいだろうか。

 オープニングのインパクトも吹奏楽版の方がずっと大きい。

 解説によると、この録音で使用されたチャンチキは「大阪市音楽団が所有する内径が30センチ近い大きさのもので、実際の(お祭りで使われている)ものにかなり近い大きさのもの」だそうです。

 次のTKWO盤と聴き比べてみると、その音の違いは明らかで、演奏そのものの印象にも大きく関わっている。


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 ▲ 小野田宏之指揮/東京佼成ウインドオーケストラ

 1991年録音。

 速めのテンポですっきりとまとめられていて、当然上手ではあるけれども、いかにも薄味。

 使っている楽器が違うのだろう、上の大阪系の録音に比べると、チャンチキの音がいかにも軽い。

 管弦楽版のスコアが出版されました。

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 http://alicemusic.shop-pro.jp/?pid=81832709

 「自筆譜に基づく<原典版>」と記載されていて、ちょっと紛らわしいけれども、「決定稿」とされる「第3稿」の自筆譜をベースにしたものだそうです。

 一般的に聴くことのできる演奏はこの版によります。

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