グレインジャー シャロー・ブラウン
CD
■ P・グレインジャー作曲/シャロー・ブラウン
▲ R・ヒコックス指揮/シティ・オブ・ロンドン・シンフォニア
1996年録音。
シー・シャンティ。船乗りの男達が歌う「仕事歌」。
陸にいる女性が、去っていった船乗りの恋人(シャローブラウン)への気持ちを歌うという設定ではあるけれども、実際に歌っているのは、あくまでも船に乗っている男達。船(海)の上から、陸に残してきた恋人(家族)を想って歌う歌なのだ。
ソロ(独唱)が1フレーズ歌い、他のメンバーがそれに呼応して合いの手を入れる。何度も繰り返されるうちに、気持ちは次第に高まるが、最後はまた静けさが戻ってくる。
演奏はこのヒコックス盤が素晴らしい。実際に波の音が聞こえ、大海原の情景が見えてくるようだ。
長い航海、果てしなく広がる海。故郷を懐かしむ気持ち、寂しさ、孤独...数分間の音楽の中に、それらが全て収まっている。
「グレインジャー・エディション」の第3巻。
ヒコックス以外の録音。
▲ E・ガーディナー指揮/モンテヴェルディ合唱団
1995年録音。ソロを女声で歌わせていて、アイデアとしては面白いけれども、前に書いたようなシチュエーションの面白さは全く無くなってしまっている。
▲ アカデミー室内アンサンブル
1994年録音。合唱部分も含めてソロで歌わせていて、完全に独唱曲にしてしまっている。まだまだグレインジャー録音が少なかったころなので、こういうのも『あり』だったのかもしれない。
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