ガーシュウィン キューバ序曲
CD
■ G・ガーシュウィン作曲/キューバ序曲
▲ L・マゼール指揮/クリーヴランド管弦楽団
1975年録音。
クールに決めた演奏。あまりにも何度も聴いていたので、自分にとってのデフォルト盤。
私が初めてこの曲の存在を知ったのが、このマゼール盤。
そのころ聴いていたガーシュウィンはバーンスタインの旧録音LP盤で、それもあってガーシュウィンと言えば「ラプソディ・イン・ブルー」と「パリのアメリカ人」。
そんな中、このマゼール盤を聴いて驚いた。ガーシュウィンがこんな曲を書いていたとは...しかも、これが面白いのだ!
なんでみんな演奏しないのだ!?
ラテン・パーカッションが活躍したりで、当時はライト・ミュージック的な(いわゆる『クラシック』ではない)扱いだったのだろうか。
カップリングは、同じくマゼール&クリーヴランド管による「ラプソディ・イン・ブルー」「パリのアメリカ人」、メータ&ロス・フィルによる「アパラチアの春」「市民のためのファンファーレ」。
▲ E・スヴェトラーノフ指揮/ソビエト国立交響楽団
1980年のライブ録音。
オープニング。テンポは遅めだけれども、リズムに全くノリ切れていない。ようやく落ち着いてきての第2テーマは、哀愁のある弦楽器などなかなかいい。
中間部は意外に普通のテンポ。濃厚な雰囲気は変わらないけれど、ソプラノ・サックスのようなオーボエの音にびっくりさせられる。
で、問題は再現部。とにかくテンポが速い、と言うか、定まらない。
この曲の冒頭部分は2分の2拍子だけれども、この再現部は同じモチーフを使っているものの4分の2拍子で書かれている(テンポは若干速くなっている)。
これは2分の2拍子。
こちらは4分の2拍子。
要は、音符の長さは半分になっているものの、1小節を2つにカウントするのは同じで、スコアを見なければその違いは分からないだろう。
しかし、ここでのスヴェトラ氏はやたらと速いのだ。ひょっとすると1小節を1つでカウントしているのかもしれない。
で、途中から最初の2分の2拍子に戻るのだけれども、当然のことながら前後の整合性が取れずに、テンポは乱れまくる。
そして、4分の2拍子のコーダ。ベル・トーンのように各パートが重なっていくのだけれども、合っているのか、間違っているのか、もう、何が何だか分からない。
そのグチャグチャ状態のままエンディング。しばしの間を置いて、会場から拍手。呆然とし、一瞬、意識が薄らぐ。
さすがにこれは...200%、スヴェトラーノフ氏のファン限定の録音。
▲ J・レヴァイン指揮/シカゴ交響楽団
1990年の録音。
アメリカ的なメリハリのある演奏としては、このレヴァイン盤。もちろん、金管も強力。
ヤマハから国内版のスコアも発売されています。
ただし、コーダは通常演奏されているものとは異なっていて、最初に打楽器のみによるアンサンブルが7小節あり、また最後のリズム音形が3回繰り返されている(通常は1回)。
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