アルフォード 行進曲「マッド・メイジャー」
CD
■ K・J・アルフォード作曲/行進曲「マッド・メイジャー(風変わりな少佐)」
イギリスの『マーチ王』、アルフォードによる傑作マーチ。全曲、素晴らしいアイデアが一杯に詰まっている名曲。
構成は「前奏-主部(A・B・A)-トリオ(繰り返し)」で、有名な「ボギー大佐」と同様。
8小節の元気のよい前奏の後、軽快な第1マーチ。
ここで、いきなりユーフォニウムなどによる対旋律が加わる(出し惜しみはしないのだ)。そして、トゥッテイの合図に続くシンバルのソロ一撃。
「B」はユーフォニウムなどが奏するテーマ(これも素晴らしいメロディ)の上に、木管による「A」のテーマが重なる。
ブリッジ無しに始まるトリオ。その後半では、コラール風に変奏されたテーマにベースの対旋律が絡む。
ここでは、マーチ特有の「頭打ち+裏打ち」というリズム・パターンは無くなってしまい、一般的な『行進曲』という枠を完全に超越してしまっている。
そろそろ吹奏楽コンクールのシーズンではあるけれども、こういう曲こそ「課題曲」として相応しいのではなかろうか。
この曲の邦題について、私が若いころは「キ●●イ少佐」というストレートな訳もまかり通っていたけれども、今では「風変わりな少佐」という風に落ち着いているようだ。
▲ F・フェネル指揮/イーストマン・ウィンド・アンサンブル
1957年録音。(演奏時間:2分57秒)
フェネル校訂版のテンポ指定は「四分音符=100」で、この演奏もそれに従っている。
『行進用』の音楽としてのアプローチ。聴いているとイギリスの兵隊さんが行進している光景が目に浮かんでくるようだ。
ちなみに、フェネル氏は「マーチの魅力」というDVDで、イギリスとアメリカのマーチのテンポの違い(イギリスの方が遅い)を、「軍隊の行進のスタイルの違いによる」と、実際に行進しながら説明してくれている。
▲ J・R・メイスン指揮/イギリス王立海兵隊バンド
1972年録音。(演奏時間:2分22秒)
こちらは速めのテンポで、きびきびとした曲運び。同じ曲でもフェネル盤とは味わいが全く異なる。
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