フルート名曲集(P・ガロワ)
CD
パトリック・ガロワによる「フルート名曲選」。
まず値段が安い。4枚組み、70曲収録で、2,000円。
写真を見ると、昨今ありがちなビジュアルを売りにしているプレイヤーのようではあるけれども、関係者は知っているように、ガロワはフランス国立放送管弦楽団の主席も務めていた実力派。
伴奏は全てオーケストラで、指揮者の中には、かつてリヨン国立管弦楽団の音楽監督も務めたE・クリヴィヌの名前も見える。
テクニックはあるけれども、それをことさら見せびらかすことはなく、クラシックだけでなく、映画音楽やイギリス民謡など、よく知られているメロディを演奏することに徹している。
ゴールウェイのような強力なキャラはないけれども、品の良い、スッキリと爽やかな演奏。
編曲も面白く、フルートを引き立てつつも、単純に伴奏というだけでなく、フルート独奏が主役のオーケストラ曲という趣もある。
「モルダウ」や「白鳥の湖」など、結構強引なものもあるけれど、「アルルの女」などは、2つの組曲からのハイライトを10分ちょっとの作品に仕立て上げたりと凝っている。
フルートのための作品も含まれてるけれども、「ハンガリー田園幻想曲」など、あくまで一般に知られている名曲ばかり。
こういう企画ができたのも、ガロワが当時、まだまだ売り出し中の若手だったからで、今のガロワ、あるいはパユなどであれば引き受けなかったのではなかろうか。
好きな曲を取り出して聴くも良し、BGMとして流すも良し...『クラシック名曲集』として「一家に1セット」と言いたくなるようなアルバム。
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