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グレインジャー 「イン・ア・ナットシェル」組曲(ラトル)

CD

 ■ P・グレインジャー作曲/「イン・ア・ナットシェル(早わかり)」組曲

 Rattle

 ▲ S・ラトル指揮/バーミンガム市交響楽団

 しかし「リンカンシャーの花束」も含め、よくぞ録音してくれました>ラトル

 4曲からなる組曲で、ピアノ、チェレスタの他に、たくさんの鍵盤楽器(チューンフル・パーカッション)が使われている。

 下記は「ガムサッカーズ・マーチ」の冒頭。

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 兎にも角にも、強烈な曲で、これに比べれば吹奏楽の難曲、「リンカンシャーの花束」など可愛らしいもの(それゆえ「花束」なのかもしれないけれど)。

 中でも聴きものは、グレインジャー作品としては演奏時間も長い(約10分)、3曲目の「パストラーレ(田園詩)」。

 冒頭は一見「変ホ長調(♭×3)」であるけれども、オーボエのソロは調性感が無く、不思議な響きがする。

 その後、ピアノや鍵盤楽器が、実に摩訶不思議で幻想的な世界を展開するが、そのセンスは完全に常人離れしていて、恐ろしささえ感じる。

 終曲は吹奏楽版でも知られる「ガムサッカーズ・マーチ」。ちなみに、調性は管弦楽版が「E」で、吹奏楽版が「E♭」。

 この曲で使用されているメロディの1つは、「コロニアル・ソング」でも使われているもの。

 宮澤淳一氏の解説も充実している国内盤を是非。

 別の録音として...

 Grainger

 ▲ ネヴィル・ディルケス(Neville Dilkes)指揮/イングリッシュ・シンフォニア

 この曲が注目されたのは、やはりラトル盤だと思うけれど、これはラトルと同じくEMI録音。おそらく注目されることもなく、今は寄せ集め廉価盤CDの中に収録されている。

 この指揮者のことは知らないけれども、これは埋もれさせておくにはもったいない演奏。

 弦楽器奏者は少なめの人数で演奏しているのだろうと思うけれど、それがいい雰囲気を出しているし、ローカルな魅力のある演奏だ。

 鍵盤打楽器も人数を絞っているようだけれども、スコアには省いてよい楽器の指示もあるし、ピアノやチェレスタがカバーしているので違和感はない。

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