グレインジャー 北欧の王女へ
CD
■ P・グレインジャー作曲/北欧の王女へ(婚礼の歌)
▲ ヒコックス指揮/デンマーク国立放送交響楽団
演奏時間12分、グレインジャー作品の中では『大曲』の部類。
この曲は、グレインジャーが1928年に結婚したスウェーデン人のエラ・ストロームに捧げられ、初演はハリウッド・ボウルの1万5千~2万人の聴衆の前で、作曲者自身の指揮による126人編成のオーケストラによって演奏されたという。
「北欧の王女」というのは当然、奥さんのこと。
最初は慎ましやかに始まるけれども、高鳴る鐘の音と共に壮麗に盛り上がり、終わり近くではサン=サーンス作曲の「白鳥」のメロディが引用される。
甘美で、いかにも「幸せいっぱい」といった音楽は、あまりに臆面も無く、何だか気恥ずかしくなるくらいだ。
ヒコックス盤は明るく華やかなサウンド。K・ブライオン指揮によるナクソス盤もあるけれども、まずは、このヒコックス盤だと思う。
ヒコックス以外の録音。
▲ K・ブライオン指揮/スロヴァキア放送交響楽団
K・ブライオンはニュー・スーザ・バンドの創設者であり指揮者。
スーザ作品の校訂でも知られ、ナクソスにはスーザの吹奏楽作品をシリーズで録音している。
グレインジャーの吹奏楽作品についても、ミシガン州立大学シンフォニック・バンドを指揮した録音がある(DELOS)。
ナクソスでグレインジャーの管弦楽作品をまとめたアルバムはこれ1枚で、シャンドスに Grainger Edition があるため、スーザやL・アンダーソンみたいには深入りはしなかったのだろうか。
オケはスロヴァキア放送交響楽団。素朴で垢抜けない音がして地味で、この「北欧の王女へ」もヒコックス盤のような華やかさは無く、別の曲のようだ。
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