駅前公園
JRのN駅前に小さな公園があり、私が中学生の頃、その公園の近くの団地に住んでいたK君という友人がいた。
K君のお兄さんは趣味でトランペットを吹いていたのだけれども、その公園でよく練習していて、近くを通るたびに音をよく耳にした。
線路沿いで近くに民家も無く、大きな音のする楽器の練習にはもってこいの場所だったと思う。
そのお兄さんがある時、事故で亡くなってしまったのだ。
その後、当然のことながら、お兄さんのトランペットが聞こえることは無かったけれども、他の人が楽器の練習をしている音を聞く機会が多く、何だかお兄さんが皆を呼び集めて、一緒に吹いているような気がしたものだった。
それから●十年...。
その公園は駅前の再開発で無くなってしまった。バス停とその先の新しいビルへ向かう通路になってしまったのだ。
もちろん、今は誰も楽器の練習はしていない。
| 固定リンク
コメント