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伊福部昭 日本狂詩曲(広上&日フィル)

CD

 ■ 伊福部昭作曲/日本狂詩曲

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 ▲ 広上淳一指揮/日本フィルハーモニー交響楽団

 1995年録音。この曲は広上盤が一番いい。

 第1楽章「夜想曲」。打楽器の軽快なリズムの上にヴィオラのソロが物悲しいメロディを歌う。

 夏の夜の風景が頭に浮かぶ。人々の生活、ざわめき。

 伊福部さんのデビュー作であるけれども、このオープニングからして伊福部昭以外の何者でもない。

 第2楽章「祭」は第1楽章の気分を引き継いでいる、夏の夜祭り。遠く近く、打楽器のリズムの上に様々な光景が交錯する。

 単なる乱痴気騒ぎではない、一抹の寂しさを感じさせる。

 伊福部さん自身は「打楽器のリズムがメイン」と考えられていたようだけれども、威勢のよい一方の演奏だと、騒々しいだけの単調な感じになってしまう。

 この広上盤は、ちょっと大人しい感じもするけれども、私は、この広上盤のように抑制された音楽の方が相応しいと思う。

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