伊福部昭 ロンド・イン・ブーレスク(汐澤&東響)
CD
■ 伊福部昭作曲/オーケストラのためのロンド・イン・ブーレスク
▲ 汐澤安彦指揮/東京交響楽団
1983年8月5日に日比谷公会堂で開催された歴史的コンサート(SF特撮映画音楽の夕べ)における、管弦楽版初演時のライブ録音。
指揮者の汐澤さんは東宝特撮映画を観たことがなかったそうで、確かに生れ年(1938年生まれ)を考えると、怪獣映画に夢中になっていた世代よりも一回り上になるのかもしれない。
冒頭はいきなり「わんぱく王子…」の旅立ちの音楽で始まり、そして「怪獣大戦争」のマーチ。後半は和太鼓のリズムと共に『ボレロ風』の展開になる。
広上&日フィル盤に比べると、和太鼓のバランスが大きく力強い。ただ、ライブということもあってか、最後の方は息切れした感じがし、やや消化不良気味でもある。
ちなみに、当日は「SF交響ファンタジー」3曲とこの曲が演奏されているのだけれども、曲順はどうだったのだろうか。CDの収録順と同じくこの曲が最後なら、さすがにバテるだろう。
LPでは2枚組みで出ていたこのライブ録音。演奏内容は置いておいたとしても、その価値はとてもつもなく大きい。
解説にある下記の一文をみても、それは分かると思う。
今まで、サントラ盤のモノラルでしか聴けなかったものが、ステレオで聴く事ができるという事は伊福部ファンにとってこたえられない事と思う。(中略)今後最低50年間は、伊福部ファンはどんな事があっても悲しみに耐えて生きてゆける事ができるであろう。このライブ盤がある限り。
今読めば大袈裟に見えるけれども、当時は激しく納得できるものだった。
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