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ガーシュウィン ラプソディ・イン・ブルー(オーマンディ)

CD

 ■ G・ガーシュウィン作曲/ラプソディ・イン・ブルー

 Gershwin_2

 ▲ E・オーマンディ指揮/フィラデルフィア管弦楽団

 ピアノはP・アントルモン(CDには記載無し)。1967年録音。一般的なグローフェによるフル・オーケストラ版。

 CDには「完全全曲版」と謳われていて、確かに以前はカットされることも多かったかもしれないけれど(バーンスタインやプレヴィン)、最近はカットしない方が主流のような気もする。

 ちなみに、私が最初に買った「ラプソディ…」は、ご多分にもれずバーンスタインの旧盤(LP)で、B面は「パリのアメリカ人」。

 当時は2曲とも、これが『決定盤』といったポジションだった。

 で、長い間、この演奏ばかり聴いていたのだけれども、なにかスッキリしない感じで、要は重苦しいのだ。また「ラプソディ…」にカットがあることも後に知った。

 当時は(おそらく、今も)、オーマンディはバーンスタインに比べると相当に『低く』見られていて、下手するとポップス・オーケストラのような扱いだったかもしれない。それゆえ、当時の私の選択肢にオーマンディは無かった。

 しかし、この演奏が実に素晴らしいのだ。特にバーンスタインのファンでもなければ、まずはこちらではなかろうか。

 オケのソロ・パート(クラリネットやトランペット)は、ジャズ的なくだけた雰囲気を出しているけれども、オーマンディの音楽の作りは正攻法。チャラチャラしたところが無い。そして、何より音楽が明るい。

 アントルモンのピアノはクラシカル、デリケートで洗練された雰囲気。

 昨今はオリジナル版なども取り入れて、色々と面白おかしく『遊んだ』演奏も多いけれども、私はこちらの方が好きだ。

 カップリングの「パリのアメリカ人」「グランド・キャニオン」も『◎』で、非常にコスト・パフォーマンスのいい一枚。

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