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レスピーギ 12の旋法による変容(サイモン)

CD

 ■ O・レスピーギ作曲/12の旋法による変容(メタモルフォーゼ)

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 ▲ G・サイモン指揮/フィルハーモニア管弦楽団

 1985年録音。その昔、「ベルキス」のLPのB面に収録されていたのがこの曲。

 ボストン交響楽団の創立50周年のために、先日のN響アワーでも紹介されていた、クセビツキーの委嘱によって書かれた作品。

 主題と12の変奏から成る。

 「主題」は変ロ短調。弦楽器を中心とした重々しい音楽で開始され、いくつかのモチーフを含む。

 これがNHKのドキュメンタリー番組のテーマ音楽として使用され、一時的にではあるけれども知名度が上がったこともあった。

 以後、様々な変奏が繰り広げられるが、面白いのは第7変奏。様々なソロ楽器が交代にカデンツァを披露する。この部分は師匠のリムスキー=コルサコフ譲りだろうか。で、この変奏が中間地点となる。

 終曲は変ロ長調。金管楽器によって変形された主題が高らかに奏され、オルガンも加わったエンディング。

 3管の大編成ではあるけれども、ティンパニ以外の打楽器は銅鑼と鉄琴のみで、その使用も控え目。一般受けしそうな華やかさ、大衆性は少ない。

 しかし、外面的な効果に頼ることなく、上記のカデンツァなど、様々な音楽が次々と現れる面白さ。「ローマ3部作」や「ベルキス」とは異なった、落ち着いた、内向的と言ってもいいような、趣のある音楽を楽しむことができる。

 カップリングの「ベルキス」と合わせて、持っていて損はない1枚。

 ちなみに、この曲にも吹奏楽版(山本教生編曲)がある。ただし第7変奏はカット...なのは当然として、参考音源を聴くと、エンディングにもカットがあるようだ。

 http://www.accord-publishing.jp/brass_b/gml5027.htm

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