グレインジャー コロニアル・ソング(吹奏楽版)
CD
■ P・グレインジャー作曲/コロニアル・ソング(植民地の歌)
▲ T・レイニッシュ指揮/王立ノーザン音楽大学ウインド・オーケストラ
作曲者自身による吹奏楽版。管楽器らしい、暖かく、豊かな響きがする(特に冒頭や、後半部)。
原曲は「E(#×4)」、この吹奏楽版は半音下げて「E♭(♭×3)」。
当然のことながら「E♭」の方が演奏は容易だし、響きやすいので、「半音下げ/上げて『♭系』の調性にする」というのは、編曲する際にはよるあるパターンではある。
ただ「作曲者の意図を尊重するには原調であるべし!」という意見(スタンス)もあり、「原調版」とわざわざ謳っている(売りにしている)編曲もあったりする。
しかしながら、ここでは作曲者自身が移調しているのだから、誰も文句は言えない。作曲者だからこそ堂々と出来ることだ。
しかし、単に調性を変えているだけではない。
単純に原曲を吹奏楽に編曲する(楽器を置き換える)のなら誰にでも出来るだろうけれど、グレインジャー自身によるこの版は全く別の次元の、新たなスコアになっている。
終始ゆっくりとしたテンポなので、聴いているだけだと演奏が容易な曲のように思えるのだけれども、実際は音楽表現だけではなく、技術的にも非常に難易度の高い曲。
バーンズやスウェアリンジェンの同系統のオリジナル曲とはレベルが違うので要注意。
その他の吹奏楽版のCD
▲ H・ベギアン指揮/イリノイ大学シンフォニック・バンド
大編成らしい、ゆったりと息の長い音楽がとてもいい。
44小節目前の打楽器(Cymbal, Tam-tam)のクレッシェンドを強調しているけれども、指定が「fff」であることを考えると、妥当なものだと思う。
12小節目からのソロはソプラノ・サックス。ピッチが怪しいのが残念。
▲ K・ブライオン指揮/ミシガン州立大学シンフォニック・バンド
楽団の技術的なものもあるのか、音楽の流れがぎこちない感じがして、前2者ほどの魅力は無い。
写真でグレインジャーが持っているのはソプラノ・サックス?
【管弦楽版】
管弦楽版についてはこちらを。
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コメント
御意
投稿: HIDEっち | 2012/02/20 03時20分
この曲、個人的に『また演奏してみたい』曲の筆頭です。
投稿: S | 2012/02/20 22時08分