レスピーギ 交響詩「ローマの松」(アンセルメ)
CD
■ O・レスピーギ作曲/交響詩「ローマの松」
▲ E・アンセルメ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団
1963年録音。カップリングは「ローマの噴水」と「風変わりな店」(ロンドン交響楽団)。
私が、この曲を最初に聴いたのはM・サージェント指揮によるLP。
なぜこのレコードを選んだのかというと、レコード屋さんでたまたま目に付いたという以上のものは無かった思う。
当時はネットなど無い時代。近所の小さなレコード屋さんへ出向いて、店頭に並んでいるものを買うというのが常だった。
その次に聴いたのが、このアンセルメ盤(17センチLP盤)。
で、驚いた。ぼやけたモノクロの世界から、一気に総天然色の風景が目の前に広がったようだった。
1曲目、キラキラと輝く太陽の光がそそぐ、その色彩感。
「カタコンブ」は場面の展開が見事だし、「ジャニコロ荘」のクラリネットも、ことさら弱音を強調することなく自然に吹いている。
「アッピア街道」は大いに盛り上がるけれども、力ずくの『爆演系』ではない、節度がある。
バンダはレスピーギの指定を尊重して(おそらく)円錐管系で演奏。ここらへんも「さすが」。
この最初のファンファーレをミュートを付けたトランペットで吹かれると、ちょっとガッカリしてしまう(少なくとも録音では)。
約50年前の録音。今に比べれば、オケは決して上手ではないけれども、それは問題ではない。自分にとってはこれがデフォルトで、今聴き返しても色褪せていない。
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