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ムソルグスキー 組曲「展覧会の絵」(ジュリアン・ユー編曲版)

CD

 ■ ムソルグスキー作曲(ジュリアン・ユー編曲)/組曲「展覧会の絵」

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 ▲ 岩城宏之指揮/オーケストラ・アンサンブル金沢

 2003年録音。カップリングは「古典交響曲」。

 ジュリアン・ユー編曲版。楽器編成は以下の通り。

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 Flute(Piccolo, Alto Flute)
 Oboe(English Horn)
 Clarinet inBb(Clarinet in A, Bass Clarinet)
 Bassoon(Contrabassoon)

 Horn
 Trumpet
 Trombone

 Harp

 Piano(Celesta)

 Percussions(1-3 players)

 1 Violin
 2 Violin
 Viola
 Cello
 Double Bass
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 打楽器は「キエフの大門」のみ最大3人まで増やすことが出来るが、(メンバー表によると)この録音では2人で演奏。弦楽器は各パート一人。

 冒頭の「プロムナード」はヴィオラのソロで始まり、繰り返される時にはエコーの効果が付けられ、途中に中国のメロディが現れたりもする。

 ラヴェルやストコフスキー、アシュケナージの編曲とは方向性が違う...と言うか、そもそも同じ土俵に立っていない。

 全曲、ムソルグスキーの書いた音符は変形されたり、省略されたり、オリジナルに無い要素が付け加えられたりしていて、ムソルグスキーの音楽をベースに作曲された、全く新しい作品といった感じがする。

 そう割り切って聴けば面白いかもしれないけれども、これならシンセサイザーでも良かったのでは、とも思ってしまう。

 また、どうしてもラヴェルの影がチラつく。

 「卵の殻を付けたヒナの踊り」はラヴェル版と大差なく、「キエフの大門」も、冒頭が弱音(pp)で開始されることや、最後の鐘の余韻(これはストコフスキー的)を除けば、持って行き方は類似している。

 元々が同じ曲なのだから、それも当然かもしれないけれども、結局、ラヴェルの編曲がよく出来ている...と。

 要は、「この曲をオーケストレーションするなら」という課題に対する解答として、『模範』とは言えないかもしれないけれど、そのうちのいくつかは「結局そうするしかないよね」というものになってしまっているのだ。


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