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ベルリオーズ 「宗教裁判官」序曲(ノリントン)

CD

 ■ H・ベルリオーズ作曲/「宗教裁判官」序曲

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 ▲ R・ノリントン指揮/ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ

 1988年録音。

 未完のオペラのために書かれた序曲で、ベルリオーズの「序曲」の中でも特に気に入っている曲。

 暗く沈んだ雰囲気で始まる序奏部は、「ロメオとジュリエット」を思わせるような、管楽器による堂々たるレシタチーヴォへつながる。

 テンポを速めた主部(2分の2拍子)は、場面転換を繰り返しつつ進行し、長調の第2テーマもあるけれども、陰鬱で不気味な雰囲気も濃い。

 ベルリオーズのスコアは大胆で、弱音で演奏する木管に弦が「f」で絡んできたり、途中、ティンパニだけが4分の3拍子でリズムを刻むという場面も現れる。

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 この、ノリントン&LCP盤はオリジナル楽器による演奏。弦楽器の対向配置や、チューバではなくてオフィクレイドを使用したサウンドの効果も良く出ている。

 ノリントンはシュトゥットガルト放送響と2003年に再録音していて(ライブ)、純粋に演奏だけ見ればこちらの方がはるかにこなれていて、まとまりがある。

 ただ、『音』ということからすると、旧盤の魅力は大きい。

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