グレインジャー フォスターに捧ぐ(ガーディナー)
CD
■ P・グレインジャー作曲/「フォスターに捧ぐ~草競馬による」
▲ J・E・ガーディナー指揮/モンテヴェルディ合唱団と管弦楽団
冒頭はフォスター作曲「草競馬」のグレインジャー編曲版。ピアノ、鍵盤楽器、ハーモニウムなどが加わって、賑やかなお祭り騒ぎ。
中間部は、夢の中にいるような、甘美な「子守唄」。鍵盤楽器のキラキラとした刻み。
やがて最初の賑やかさが戻ってくるけれども、突然、周りの風景が溶けていってしまうような感覚があり、風景が遠ざかってゆく中に、バス・クラリネットと小太鼓の微かな音、そして最後は全てが消え去り、真っ暗な闇と静けさだけが残る。
今まさに夢の中に入っていったのか、これまでが夢だったのか、...。
グレインジャー自身による歌詞には下記のような言葉がある(訳:宮澤淳一)。
フォスターの歌はそんなに「黒」くはないけれど
まったく「白」というわけでもない。
グレインジャーはフォスターの音楽に、自分と共通する『臭い』を感じていたのではなかろうか。
このCDはグレインジャーの声楽付き作品の魅力を教えてくれたもの。そして、この曲を最後に収録したのは大正解だと思う。
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