スパーク オリエント急行(スパーク&TKWO)
CD
■ P・スパーク作曲/オリエント急行
▲ P・スパーク指揮/東京佼成ウィンドオーケストラ
1992年録音。
この「スパーク作品集」のCDは、スパークの吹奏楽曲がまとめて紹介された初めてのアルバムではなかったろうか。ちょっと荒いところはあるけれども、何はともあれ作曲者自身の指揮によるこの演奏、『参考演奏』としての価値は大きいと思う。
類似曲としては、オネゲル作曲「パシフィック231」があるけれども(一昔前はよく吹奏楽で演奏されていた)、オネゲルは疾走する機関車そのものを描いているのに対し、スパークは列車に乗って旅行する、その旅人の気分を描いている。
その明るくて明快な音楽、キャッチーなメロディは紛れもないスパークのもの。
原曲は1986年に作曲された金管バンドのための曲。1992年にこの録音のために吹奏楽編成に編曲された。
ただ、彼の他の同様の作品(「「ドラゴンの年」「祝典のための音楽」など)と同じように、やはり金管バンドで演奏してこその曲だとは思う。
木管楽器のソロやアンサンブルが用意されてはいるけれども、本来の木管の譜面とは異なる様に感じる(つまり、あくまで『編曲作品』)。
例えば、中間部の「アルト・サックス→イングリッシュ・ホルン」というソロのつながりも、オリジナル曲であればちょっと考えにくい持って行き方ではなかろうか。
とは言うものの、「描写音楽」としての分かり易さ、面白さは抜群で、以前、某アマチュア楽団の演奏会で聴いた時も、この曲の色々な『仕掛け』が(おそらく吹奏楽に馴染みの薄いお客さんにも)とても受けていた。
それゆえに、いまだに『人気曲』としてのポジションをキープしているのだろう。
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