ホルスト ムーアサイド組曲(弦楽合奏版)
CD
■ G・ホルスト作曲/ムーアサイド組曲(弦楽合奏版)
▲ D・ロイド=ジョーンズ指揮/ノーザン・シンフォニア
「ムーアサイド組曲」は元々はブラス・バンド(金管バンド)」のために作曲されているが、色々な編曲版がある。
0.金管バンド版(原曲)
1.管弦楽版
2.吹奏楽版
3.弦楽合奏版
「0」が原曲(オリジナル)。「1」はジェイコブの編曲。
「2」はアマチュア吹奏楽団で一般的に演奏されているのがライト編曲版。
管弦楽版を編曲したジェイコブも、第2、第3楽章を吹奏楽に編曲しているけれども、第3楽章「行進曲」以外は入手困難。ホルスト自身も編曲に着手したものの完成しなかったらしい。
このCDに収録されている「3」は、ホルスト自身が勤めていたセントポール女学校のために編曲したものの、曲の難易度が高かったために、代わりに「ブルック・グリーン組曲」を作曲した...と、CDの解説には記載されている。
しかし、最初は弦楽合奏用に作曲を始めたけれども、それを途中で放棄して金管バンド用に転用した...という話もあるけれども、真偽は不明。
経緯はともかくとして(少なくとも「マーチ」は金管バンド版が先と思うけど)、この弦楽合奏版がとてもいいのだ。
さすがに「マーチ」は苦しいにしても、最初の2曲はこちらがオリジナルと言われても誰も疑わないであろう、それほど見事にハマっている。特に「ノクターン」の美しさは格別で、下手するとオリジナルを超えているのではなかろうか。
要は、この曲は基本的に同系統の楽器で演奏する音楽であって、そういう意味で「1」は面白くない。「2」のライト版は実際に演奏するにはいいだろう。結局、普段聴くのは「0」か「3」のどちらかになってしまう。
以下は弦楽合奏版以外の録音。
▲ グライムソープ・コリアリー・バンド
オリジナルの金管バンド版。
▲ N・ブレイスウェイト(N.Braithwaite)指揮/ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団
ジェイコブ編曲による管弦楽版。
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