伊福部昭 協奏風交響曲(大友直人&日フィル)
CD
■ 伊福部昭作曲/ピアノと管弦楽のための協奏風交響曲
▲ 大友直人指揮/日本フィルハーモニー交響楽団
ピアノは舘野泉。1997録音。
この曲は1941年に作曲され、翌年初演。しかし、1回演奏されただけで戦災で消失。伊福部さん自身は復元することはせず、モチーフを流用して「シンフォニア・タプカーラ」や「リトミカ・オスティナータ」を作曲。
しかし、パート譜のみがNHKの倉庫から「発見されてしまった」。
伊福部さんはこの曲はもはやこの世には無いものとして後の作品を作曲していたので、今更の再演については否定的だったけれども、周囲の強い勧めによってパート譜からスコアを復元(その際、手は加えられていないとのこと)...という流れらしい(ここら辺はCDの解説に詳しい)。
タイトル通り、あくまで『協奏風』の「交響曲」。楽器編成は3管編成。打楽器はティンパニと小太鼓のみとシンプル。
前作「土俗的三連画」の延長線上にあるような音楽で、これを聴くと、次の「交響譚詩」を伊福部さんが「元気がない」と言うのも分かる気がする。先に書いた作品だけでなく、映画音楽に使われたモチーフも現れ、伊福部ファンにとっては面白いことこの上ないと思う。
この録音風景が、先日NHK(ETV)で再放送された番組、「ゴジラのテーマをつくった男/作曲家・伊福部昭」で紹介されていました。
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