ムラヴィンスキー指揮のチャイコフスキー「交響曲第4番」
E・ムラヴィンスキー指揮/レニングラード・フィルによるチャイコフスキー「交響曲第4番」のCDについて。
こちらは有名なドイツ・グラモフォン(DG)盤。1960年、ロンドンでの録音。
ムラヴィンスキーは通常は弦楽器は対向配置、つまり1st、2ndバイオリンを両側に置いた配置をとっているけれど、この録音では録音側(レコード会社)の事情によるものか、左側にバイオリンをまとめる通常の配置になっている。
こちらは、新発見の音源として発売されたPRAGA盤。1959年、モスクワでのコンサート(リハーサル?)を、当時のフランス大使館の職員が会場で密かに収録(盗み録り)した音源というもの。
しかし、いくつかの疑問点がある。
- オーケストラの配置が通常配置である(DG盤と同じ)
- シューベルトは明らかに別の日の録音である(オケの配置が両曲で違う)
- 隠し録りにしては音が良すぎる
少なくともオケの配置に関しては、このコンビが自国内のコンサートでこの配置をとることはまず考えられない。
私が最初に買ったこの曲のレコードが、上記のDG盤(当時LP)で、演奏が気に入ったこともあり、本当に何度となく繰り返し聴いていた。その『印象』で言うと、この2つの録音は同じものである。
各楽章のタイミングは異なっているが、両者を比較して演奏時間の割合を計算してみると、下記の様になる。ただし、PRAGA盤は実際の収録時間(冊子に記載されている時間と異なっている)。
DG | PRAGA | ||
---|---|---|---|
第1楽章 | 18:46 | 18:20 | 97.7% |
第2楽章 | 9:18 | 9:06 | 97.8% |
第3楽章 | 5:50 | 5:45 | 98.6% |
第4楽章 | 7:58 | 7:44 | 97.1% |
全楽章でPRAGA盤の方が演奏時間が短く、その割合はほぼ同じ。つまり、DG盤の音源に細工をしたのがPRAGA盤と見るのが妥当だろう。
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