「キエフの大門」の大太鼓
ムソルグスキー作曲/ラヴェル編曲の組曲「展覧会の絵」。「キエフの大門」の練習番号「120」。ブージー&ホークス版のスコア。音楽之友社版もこれをベースにしているので同様です。
全オーケストラが2分の3拍子で演奏している中、2小節目と4小節目の大太鼓(Gr.C.)は2分の2拍子。その2拍目に音が入っている。その譜面通りに演奏すると、当然、他の楽器とは『ズレ』が生じる。
セオリー通りの書き方であれば、この音は2分の3拍子の2拍目に入る。つまり前の小節と合わせて6つの音(3拍x2小節)の、その1拍目3拍目にティンパニが、5拍目に大太鼓が入る。非常にすっきりとして、かつては、ほとんどの指揮者がこのように演奏していた(録音でも)。
それを楽譜通りに演奏している(つまり『ずれて』いる)のが、例えばゲルギエフ盤。彼は来日してN響を振ったときも同様に演奏していて、これはこれで面白い効果があり、最近はこちらのやり方を取る指揮者も多くなっている。
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