都響 A定期(インバルのショスタコーヴィチ)

 ◆ 東京都交響楽団 第890回定期演奏会

 201901111

 指揮:エリアフ・インバル

  チャイコフスキー作曲/幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」
  ショスタコーヴィチ作曲/交響曲第11番「1905年」

 東京文化会館にて。

 ショスタコーヴィチの最後の鐘。違和感バリバリなのだけれども...。

 客席から見る限りでは、「ド」と「ソ」の音は通常の『鐘』を使い、その他の音(「シ♭」と「シ」)は『オーケストラ・チャイム』を使用していたので、その音量の差があまりにも大きくて、ほぼ『鐘』の音しか聞こえてこないのだ。最後も、インバルの指揮は鐘の音の余韻を残そうとしているようなのだけれど、実際の音(余韻)は聴こえてこない。

 インバルの大柄な音楽はこの曲に合っていると思うのだけれども、ここだけは釈然としなかった。

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【訃報】 アンドレ・プレヴィン

 指揮者のアンドレ・プレヴィン氏が亡くなりました。

 イギリス音楽やラフマニノフ、そして若い時代のロンドン交響楽団との録音は大好きです。

 合掌...

 しかし、この記事の見出しは...本文を読むまで誰のことか分かりませんでした。

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 https://news.nifty.com/topics/yomiuri/190301319739/

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2020年のニューイヤー・コンサート指揮者

 ■ 2020年の「ニューイヤー・コンサート」の指揮者はアンドリス・ネルソンス

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 https://m-festival.biz/6358

 大好きな指揮者なので、これは嬉しい!!

 ※歴代指揮者者一覧

 http://music-room.air-nifty.com/diary_new/newyear_cond.html

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伊福部昭 リトミカ・オスティナータ

CD

 ■ 伊福部昭作曲/ピアノとオーケストラのためのリトミカ・オスティナータ

 昔のLP時代から聴いているせいか(若杉盤)、伊福部昭の独奏付き作品の中ではこれが一番好き。

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 ▲ 若杉弘指揮/読売日本交響楽団

  ピアノは小林仁。1971年録音。

 この若杉盤と井上盤(ライブ)、どちらも気に入っているけれども、演奏のまとまりという点では若杉盤だと思う。変拍子の連続する曲、ライブだとさすがに色々ある。

 この曲で、ピアノの役割というのは極めて限定されていて、速い部分ではひたすらオスティナート風の動き、遅い部分では旋律はオケに任せて(打楽器的な)打撃音を強奏で響かせる。

 なので「協奏曲」というよりも、「ピアノ付きのオーケストラ曲」に近く、そういう意味で、ピアニスト的には積極的に演奏したい曲ではないのではなかろうか(自分にスポットライトが当たりうことは殆ど無い)。

 ホルンによる3小節の導入の後、ピアノからいきなり本題に突入する。その後は大雑把に「A-B-C-B-A」という構成だけれども、中間の「C」の部分、パーカッションを伴い、ひたすらリズムで押しまくる。

 こうなると、もう冷静には聴いていられない。


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 ▲ D・ヤブロンスキー指揮/ロシア・フィルハーモニー管弦楽団

 ピアノはE・サランツェヴァ。2004年録音。

 やっぱり、アレグロの部分が、安全運転と言うか、間違えないようにというのが精一杯な感じがして、オスティナートによる高揚感が全く無い。

 トランペットなどは、速い5拍子(「2+3」など)のリズムが全く取れていなくて、ここまでくると、さすがに『商品』としてもどうなのかと思う。

 これは、自分たちの感覚の中に全く存在しない律動なのではなかろうか。他のパートも似たり寄ったりなのかもしれない。

 純粋に演奏を聴くならば「若杉>井上>>>ヤブロンスキー」。

 日本人以外による伊福部作品ということで興味深いアルバムだけれども、演奏そのものはあまりオススメできるものではありません。


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 ▲ 井上道義指揮/東京交響楽団

 藤井一興のピアノ。1983年のライブ録音。

 安全運転気味の(それでも危なっかしい)ヤブロンスキー盤に比べると、こちらは快調で、スリリング。さすがリズムには躍動感があり、打楽器も決まっている。

 この曲、テンポの速い部分ではリズムのパターンが目まぐるしく変わるので、ちょっと乱れると修復不可能になるような恐ろしさがある。この演奏でも、最後の最後でピアノのソロが乱れ、そのままオーケストラになだれ込む。

 エンディングは16分を強調して盛り上がる。

 ちなみに、この日のコンサートは伊福部昭の協奏作品を4曲並べるという強力なプログラムで、あの日、私は五反田の簡易保険ホールまで聴きに行ったのだ。そして、ピアノの一瞬の乱れを今でもハッキリと記憶している。


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 ▲ 上田仁指揮/東京交響楽団

 ピアノは金井裕。1961年10月9日、厚生年金会館でのライブ録音。モノラル。

 この曲の初演時のライブ録音であり、また、他の録音とは異なる「初演版」による演奏。

 この「初演版」は、2回目のアレグロの後に現行版に無い音楽が挿入されている。それは、弦楽器が刻むリズムに乗って展開され、テンポはさほど速くない。

 その他については、オーケストレーションも含めて細かい変更は多々あるけれども、曲の進行は現行版と同じ。

 最初のアレグロ、ピアノのソロはなかなか快調に進む。しかし、そのモチーフがオーケストラに受け渡されると、一気にスリリングになる。

 特に2回目のアレグロの後半部分や、エンディングの追い込み、パーカッションのオスティナートが加わって突き進むあたりは、どうなることかと聴いていてヒヤヒヤする。

 何はともあれ、最後はピタッと決まる。

 「ブラボー!(よかった、よかった)」

 演奏のまとまりでは若杉&読饗盤だけれども、この初演盤も『記録』という以上に捨てがたい魅力がある。


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 ▲ 早川正昭指揮/栃木県交響楽団

 山田令子のピアノ。2006年6月18日のライブ録音。

 ちなみに、栃木県交響楽団はアマチュア・オケだそうです。

 しかし、プロによる他の録音(若杉盤、井上盤など)にも負けない魅力を持った演奏。

 まずはピアノが素晴らしく、そのピアノが全体をリードしているのだと思うけれども、難曲だけに危なっかしい(ピアノとずれる)部分もあるにせよ、スリリングでエキサイティングな演奏を聴かせてくれる。

 「日本組曲」のオリジナル(ピアノ)版も収録されていて、これはオススメです。


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 ▲ 井上道義指揮/東京交響楽団

 ピアノは山田令子。2016年7月10日のライブ録音。

 ようやく若杉盤に匹敵する(上回る?)録音が出てくれました。

 最初の方こそリズムに乗り切れていない感もあるけれども、どんどん白熱し、エンディングへ向けてのオスティナートによる盛り上がりは、どこかぎこちない若杉盤を超えている。

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【雑記】 真夏の夜の・・・

 「真夏の夜の夢」の作曲者は...

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 いわゆる、「ムソグルスキー」的な...

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都響 A定期(小泉和裕)

 ◆ 東京都交響楽団 第856回定期演奏会

 20180528

 指揮:小泉和裕

  ドヴォルザーク作曲/序曲「謝肉祭」
  グラズノフ作曲/ヴァイオリン協奏曲(独奏:アレクサンドラ・スム)
  ドヴォルザーク作曲/交響曲第7番

 東京文化会館にて。

 ドヴォルザークは、小泉さんらしい、実直で力強い音楽。特に「謝肉祭」はエンディングの加速もあっての大熱演。

 交響曲は木管のメロディが弦に埋もれてしまう部分があったのは残念。

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リスト 交響詩「フン族の戦い」

CD

 ■ F・リスト作曲/交響詩「フン族の戦い」

 絵画にインスピレーションを受けて作曲された交響詩。

 異教徒(フン族)とキリスト教徒の戦いを描いたもので、最後は(当然)キリスト教徒の勝利で終わる。

 前半は戦いの音楽。キリスト教徒が勝利し、オルガンによるコラールが次第に盛り上がり、ケレン味たっぷりのエンディングはリストの面目躍如。

 今でいえば『映画音楽』か『ゲーム音楽』のようなノリにも聞こえる、単純明快でカッコいい音楽なのだ。

 

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 ▲ Z・メータ指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

 1994年録音。

 生真面目な演奏だけれども、とにかくオケの上手さとパワーで聴かせてくれる。最初の一枚としては文句なし。


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 ▲ E・アンセルメ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団

 1959年録音。

 メータ盤と比べてしまうとオケの非力感は否めないけれども、活き活きとした情景描写はさすが。オルガンの音も見事に捉えられている。

 でも、アンセルメはなんでこの曲を録音したんだろうか。オルガンの音のデモンストレーション的な意味もあったのか。この2年前の録音であるシェルヘン盤と比べると、その『音』の差はあまりに大きい。


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 ▲ H・シェルヘン指揮/ウィーン国立歌劇場管弦楽団

 1957年録音。

 冒頭のティンパニの「ポコポコ」とした音から不吉な予感がする。指揮者はテンポを煽るけれどもオケが全然ついてこれない。さらにはトランペットが完全に出を見失いカオス状態に。

 ライブならともかく、よくこれでOKが出たものだと思う。シェルヘン好き以外には全くオススメできない録音。オルガンの音も変。

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都響 B定期(下野竜也のコリリアーノ)

 ◆ 東京都交響楽団 第855回定期演奏会

 20180522

 指揮:下野竜也

  メンデルスゾーン作曲/交響曲第3番「スコットランド」
  コリリアーノ作曲/ミスター・タンブリンマン ~ボブ・ディランの7つの詩(ソプラノ:ヒラ・プリットマン)

 サントリーホールにて。

 前半のメンデルスゾーンはさっぱり。

 力は入っているけれども、雑然と上滑りしている感じで、特に第2楽章はテンポが速すぎて何が何だか。第3楽章も全く心に入ってこない。

 しかしながら、一転、後半のコリリアーノが素晴らしかった。

 ヒラ・プリットマンの見事なパフォーマンス。下野さんも見事にオーケストラをまとめ上げていた。

 音楽も決して前衛的・難解なものではなく、客席に配置されたチャイムが鳴り響くドラマチックな「自由の鐘」から続く、締めくくりの「後奏曲」のシンプルで美しい音楽が沁みてくる。

 そうなると、なぜに前半に「スコットランド」....?

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N響 C定期(P・ヤルヴィ)

 ◆ NHK交響楽団 第1886回定期演奏会

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 指揮:パーヴォ・ヤルヴィ

  トルミス作曲/序曲第2番
  ショスタコーヴィチ作曲/ピアノ協奏曲第2番(独奏:アレクサンドル・トラーゼ)
  ブルックナー作曲/交響曲第1番

 NHKホールにて。

 今日の聴きものはショスタコーヴィチ。独奏のトラーゼは自由奔放、やりたい放題。第2楽章の最初などは再弱音の上に、曲が止まったのではと思うような超スローテンポ。

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「ハンガリー狂詩曲第2番」のスコア(日本楽譜出版社)

 ■ F・リスト作曲/ハンガリー狂詩曲第2番

 日本楽譜出版社から出版されているスコア。

 サイトを見ると「ドップラー編曲版」のように見えますが、実際はよく聴く「カール・ミュラー=ベルクハウス編曲版」でした。

 Liszt
 http://nihongakufu.com/score/archives/2_11.php

 ドップラー版がほしかったのにガッカリ...でも、紛らわしいです(虚偽広告?)。

 ちなみに以下はドップラー編曲版による録音。

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 ▲ シノーポリ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

 冒頭のメロディがトランペットで演奏されるなど、ミュラー=ベルクハウス版とは全くの別物です。

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